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OMO戦略を実施することで、商品購入やサービス利用の機会損失を防止したり、売上向上を目的としたデータ収集ができるようになるなどのメリットがありますが、初期コストがかかる上に即効性がないなどのデメリットがあります。 近年、インターネットやSNS経由で商品を購入することが当たり前になっており、OMO戦略を取り入れる企業も増えてきています。 今回の記事では、OMO戦略や類似用語との違い、OMO戦略に注目が集まる背景を解説した上で、OMO戦略を実践する方法や成果を出すためのコツについて解説します。 この記事を読むことで、OMO戦略を実施すべきかどうかを判断できるようになり、その上でOMO戦略で成果を上げるためのスタートラインに立つことができます。 OMO事例も!約7,000万人のユニークデータを活用した最新デジタル広告事例のご紹介>> OMO戦略とは、顧客体験の向上を図るマーケティング戦略 OMO戦略とは、オンライン・オフラインを融合し、顧客体験の向上を図るマーケティング戦略です。 OMO戦略とは、顧客体験の向上を図るマーケティング戦略類似用語との違いOMO戦略の具体例OMO戦略に注目が集まる背景OMO戦略のメリット機会損失の防止売上向上を目的としたデータ収集・活用が手軽になるOMO戦略のデメリット初期コストがかかる即効性がないOMO戦略の成功例購買履歴を正確に把握して顧客体験の向上に繋がったBEAMSの事例デジタルサイネージの活用で顧客体験を向上したINTERSPORTの事例顧客起点のWebシステムの開発に繋がった株式会社アドバンスクリエイトの事例実店舗が無くてもOMO戦略を実施できる事例【PR】OMO戦略を成功させるためにおさえるべき3つのポイント複数の集客経路を活用するデータを一元管理できる環境を整えるパーソナライズされた顧客体験を提供するOMO戦略の始め方手順1.自社の顧客体験やタッチポイントの整理手順2.現状課題の洗い出し手順3.顧客体験のフロー検討・構築手順4.顧客体験を向上させるための仕様・システムの導入手順5.顧客体験向上に必要なIT投資を行うまとめ1stパーティデータを活用したOMO事例と応用活用方法【PR】 デジタル化が進んでいる現代では、「オンラインショップにないなら実店舗で買う」「実店舗で服のサイズ感を試してオンラインショップで買う」など、実店舗とオンラインショップの境目がなくなりつつあります。 特にコロナ禍では急激にオンラインショップが増えたましたが、オンラインショップと実店舗を連携できている企業は少なく、課題を感じている方も多いはずです。 OMO戦略はオンライン・オフラインの境目をなくすことで、機会損失の防止や売り上げアップにつながる戦略になりますが、実現するためには顧客データの管理やシステムの導入が必要になります。 類似用語との違い OMO戦略を理解する上で類似する用語の「オムニチャネル」と「O2O」という言葉があります。 それぞれの違いを以下の表にまとめました。 オムニチャネルは「複数チャネルで顧客にアプローチする」というチャネルの多様化が目的ですが、OMO戦略はチャネルを跨いだ顧客体験の向上を目的としています。つまり、顧客接点を増やすのがオムニチャネル、顧客体験を向上させるのがOMO戦略です。 O2Oはオンラインで情報発信、オフラインで実店舗に誘導するためコンバージョンポイントがオフラインに限られますが、一方でOMO戦略のコンバージョンはオンライン・オフラインに限らず顧客自身が購入・利用しやすい環境を提供するため、コンバージョンポイントが多岐にわたります。 OMO戦略は「売り上げ向上」や「集客アップ」を目的としているのではなく、オンラインとオフラインの顧客体験を向上させることが目的であり、オムニチャネルとO2Oとは、マーケティングの視点が異なります。 OMO戦略の具体例 OMOの具体例として、以下のようなものが挙げられます。 オンラインショップと実店舗のデータ統合アプリの導入チャットボットの採用デジタルサイネージの設置 オンラインショップと実店舗のデータを統合することで、「アプリや会員制サイトで実店舗での購入履歴を元に顧客の趣味嗜好にあった商品を提案する」ことができ、OMO戦略の目的である顧客体験の向上につながります。 顧客の質問に自動で回答できるチャットボットを導入することで問い合わせや疑問を解決できるヘルプページを探す時間短縮になるので、OMO戦略に有効な方法です。 実店舗では、ディスプレイを活用して情報発信を行うデジタルサイネージを設置することで、商品への興味を促したり、実店舗で販売している商品を選ぶ際の意思決定を手助けするのに役立ちます。 OMO戦略に注目が集まる背景 OMO戦略に注目が集まる背景には「顧客の購買行動の変化」が関係しています。 「注文した商品が次の日に届く」ことが当たり前になった現代では、オンライン上で商品を購入するハードルが低くなっています。 小売業にとっては、実店舗だけの運営ではどうしても売り上げが下がってしまうのが現状です。 一方EC事業者にとっては、オンラインの競争激化に伴い消費者は目移りしやすくなっているため、LTVの向上が難しくなっています。 オフライン主軸の小売業でもオンラインでのタッチポイントが必要になり、オンライン主軸のEC事業者も、オフライン接点を持つことが重要です。 そのためオンラインとオフラインを融合させて顧客体験を向上させるOMO戦略に注目が集まっています。 OMO戦略のメリット OMO戦略を進めるメリットは以下の通りです。 機会損失の防止売上向上を目的としたデータ収集が手軽になる OMO戦略を進めることでこれまで逃していた顧客の囲い込みや顧客体験向上による売り上げアップやLTVの向上が見込めます。 機会損失の防止 OMO戦略で顧客体験を向上させることで、顧客の購買意欲を逃さずに機会損失の防止につながります。 オンラインとオフラインの融合により、顧客にとって便利な購買プロセスを提供できるからです。 例えば、実店舗で売り切れの商品がアプリ(オンライン)で購入できる状況を作り出せば、売り切れを理由とした機会損失を防ぐことができます。 また、アプリで実店舗の商品を掲載しておけば「オンラインで気になる商品を見つけ、購入する場合は実際に目で見て決めたい」という顧客の獲得にもつながります。 このようにOMO戦略を行えば、顧客の購入意欲を損なわず、機会損失の防止が可能です。機会損失を防ぐことで新規顧客の獲得やLTVの向上による売り上げアップにも繋がります。 売上向上を目的としたデータ収集・活用が手軽になる OMO戦略でオンラインとオフラインを融合させることで、売り上げ向上を目的としたデータ収集・が手軽に行えます。 実店舗とオンラインショップやアプリからの購買履歴を統合することで、顧客一人一人に適した商品をアプリやオンラインショップで表示させることができます。 例えば、実店舗での購入履歴から「ニット素材の商品購入が多い」というデータを収集できた場合、オンラインショップやアプリのトップページに「あなたにおすすめの商品」としてニット素材の商品の掲載が可能です。 このようにOMO戦略を実施することで「顧客ごとの情報」と「情報を活用した購買体験の向上」を手軽に行えるようになります。 OMO戦略のデメリット OMO戦略のデメリットは以下の通りです。 初期コストがかかる即効性がない OMO戦略には時間・費用・人材といった初期コストがかかるだけでなく、すぐに効果が出るものでもありません。 長期的な視点で運用する必要があり、すぐに効果を感じられる施策ではありません。 初期コストがかかる OMO戦略は顧客体験の向上を目指すことで売り上げアップに繋がりますが、顧客を満足させるための体験を提供するためには初期コストがかかります。 アプリを導入する場合は開発費用がかかりますし、実店舗とオンラインのデータを統合し活用する場合も費用がかかります。 また、OMO戦略は顧客データを基点とした顧客体験の向上を行うために「データを運用できる人材」も必要です。 OMO戦略を進める他には時間・費用・人材といった初期コストがかかるため、自社で運用できるコストやリソースがない場合はOMOの実施が難しくなるでしょう。 即効性がない OMO戦略は短期的な売り上げアップに繋がるような施策ではなく、長期的な視点での運用が必要です。 データの収集や分析、システムの導入など、顧客体験を向上させるためのOMO戦略は仕組みづくりに時間がかかります。 また、OMOを実施したからといって成果が出るわけではなく、継続的な分析・運用が必要になります。 そのため、OMO戦略は「すぐに売り上げにつながる施策を行いたい」と考えている方には向いていません。 OMO戦略の成功例 ここまでOMO戦略のメリットとデメリットについて解説しましたが、まだまだ具体的なイメージをつかめていない方も多いのではないでしょうか。 ここからはOMO戦略を実施することで成果を上げた国内外の企業事例を紹介します。 購買履歴を正確に把握して顧客体験の向上に繋がったBEAMSの事例 衣料品や雑貨を販売するセレクトショップの「BEAMS」ではECサイトと実店舗のデータを統合し、顧客ごとの購入履歴を把握できるようシステム作りを実施しています。 これにより、顧客の購買履歴に合わせてECサイトで顧客の興味を促しやすい商品の提案ができるようになりました。 BEAMSは以前までECサイトを実店舗のデータを別々で管理しており、顧客ごとの正確なデータを得られていない運用体制でした。 オンラインとオフラインのデータを統合することで、顧客一人ひとりの購買履歴を正確に把握できるようになっています。 顧客は実店舗とオンラインのECサイトで「ECサイトで商品をみてから実店舗で買う」「実店舗でみた商品をECサイトで買う」など、自分にあった柔軟が買い物が可能になりました。 参考:「顧客」×「個客」発想で進化するビームス流マーケティング | Tech & Device TV...