ドラえもんや鉄腕アトムのような自律的に考えて行動する全能的な人工知能は「強い人工知能」と呼ばれます。しかし、現在世間で注目されているのはそのような全能的なものでなく、特定機能に特化した人工知能です。 特定の機能に特化した人工知能は「弱い人工知能」と呼ばれますが、決して弱くありません。人間のように、あるいは人間以上に能力を発揮できるレベルに達しています。 そこで今回は、人工知能にできることを、ビジネス活用の事例も交えてお伝えしていきます。現在の人工知能にできることを知り、ビジネス活用のヒントにしてください。 ※本記事はデータセクション株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
見て判断する(画像解析分野)
人間は、目の前にある人や物体が何であるのかを認識し、それを物事の判断やコミュニケーションなどに生かしています。現在の人工知能も、カメラやセンサーなどの機械の目で見た物体や情景を、人間と同様、あるいはそれ以上のレベルで認識できます。
見て判断する(画像解析分野)1.どこに何があるかを識別する2.目に見える状況を言葉で説明する目に見えない情報を推測・補完する5.医師のように診察する聴いて判断する(音声解析分野)6.言葉を聞き取り、議事録を作る7.職人のように、わずかな音の違いを聞き分ける言葉を操る(自然言語処理分野)8.会話する9.記事を書くクリエイターになる10.画家になる11.映画監督になる12.作曲家になるまとめビジネスにAIを取り入れるのには、どうすればよいのか?(PR)
1.どこに何があるかを識別する
画像内にある物体を識別できます。例えば、自動運転の研究に使われている人工知能は、車載カメラの画像を取得し、ドライバーと同様に、通行人、対向車、標識などを識別可能。また運転中の人間の視界では見落としてしまいそうな通行人や障害物にも気が付けます。
引用:SegNet: Road Scene Segmentation|Alex Kendall 参考:【ビデオ】自動運転車がリアルタイムで道路を認識・学習する新システム「SegNet」|Autoblog
2.目に見える状況を言葉で説明する
どこに何があるかがわかるだけではなく、見えている状況を、言葉にして説明できます。 下の図はMicrosoftが開発した人工知能による例です。野球選手の画像を「I think it’s a baseball player holding a bat on a field. (フィールド上でバットを握る野球選手)」と説明。
目に見えない情報を推測・補完する
人間は、目で見た物体や情景に不足した情報があっても、過去の経験などから、それが何なのかを推測できますが、人工知能の場合も同様のことができるようになりました。
3.超解像
高解像度テレビの普及とともに、動画像の解像度を高める超解像技術はすでに当たり前のものになっています。しかし最新の人工知能は、何が写っているのかまったくわからないほど荒いモザイク画像からでも、オリジナルに近いレベルの画像を推定できます。 下の図はGoogleの開発した人工知能が、超低解像度画像から元の画像を推定した結果です。右側が元となる画像で、左側がそれを低解像度にした画像。人工知能は、左側の画像から中央の画像を推定しました。このような技術を応用することで、防犯カメラが撮影した低解像度の映像でも、人物を推定することが容易になると考えられます。 参考:グーグルの人工知能、今度は「モザイク画像の被写体を特定」する|WIRED
4.モノクロ画像のカラー化
人間は、木のモノクロ画像を見たときに「おそらく緑色だろう」と色を推測しますが、人工知能も同様のことができます。例えば下の動画のように、昔のモノクロ写真や映像から、どんな色だったのかを推測できます。
参考:ディープネットワークを用いた大域特徴と局所特徴の学習による白黒写真の自動色付け|飯塚里志
5.医師のように診察する
人工知能は、医師のようなスペシャリストと同様に、専門的な判断を下すことも可能になりました。 例えばGoogleのDeepMindは目の疾患を診断でき、その診断精度は人間の医師を上回ります。さらにこの人工知能の研究が進めば、人間の医師では時間のかかっていた診断を短縮でき、すぐ適切な治療に取り掛かれるとのこと。そのようになれば将来的に、目に疾患を持った患者が病状悪化によって失明するのを抑えられるだろうといわれております。 参考:グーグル、人工知能「DeepMind」を目の病気の診断に活用へ|CNET Japan 参考:グーグルの人工知能、今度は発展途上国の人々を「失明」から救う|WIRED.jp
聴いて判断する(音声解析分野)
人間は、様々な音の中にある特定の音声を耳で聞き分け、その内容を理解したり物事を判断します。現在の人工知能でも、マイクなどの機械の耳で聞いた音から、人間と同様に物事を判断できます。
6.言葉を聞き取り、議事録を作る
会議や取材での発言をメモ・録音し、議事録を作成するという作業は、とても手間がかかります。この手間のかかる作業を人工知能が肩代わりしてくれる日も遠くなさそうです。 NTTは、複数人の声を聞き分けてリアルタイムに議事録を作成する人工知能を開発しました。1、2年後の実用化を目指しているとのことです。また海外では、会話の内容を分析し、誰がいつまでになにをすれば良いのか、整理してくれる人工知能サービスもスタートしています。 参考:雑音の中でも…AIが複数の人の会話聞き分けて書き起こし リアルタイムで議事録作成OK NTTが開発|産経ニュース
7.職人のように、わずかな音の違いを聞き分ける
磁器職人は、磁器を指で弾いたときのわずかな音の違いでひび割れを察知するといいます。実はこういった職人技は、人工知能の得意分野です。 現在海外では、わずかな異音から機械の不調を察知する人工知能の開発が進んでいます。人間の聞こえないような音域も聴き取り、工場設備や自動運転車などの機器故障を判定。そうすることで、故障や定期メンテナンスによる作業ロスを避けつつ、効率的な設備運用を実現します。
参考:音を聞いて機械の不調を察知する「耳のいいAI」自動運転車両の故障検知に活用へ|WirelessWire News
言葉を操る(自然言語処理分野)
人間は、考えたことを言葉にして、表現したりコミュニケーションがとれます。現在の人工知能は、人間と同様の言葉を操れるようになり、複雑な操作をせずとも対話によって、行動に移せるようになりました。
8.会話する
「りんな」という女子高校生型の会話AIをご存じでしょうか?実際の女子高生のような口調で会話するこの人工知能は、2016年に話題になりました。 またAlexaは、他の企業が利用できるようにその音声認識機能を一般公開していることでも、注目を浴びています。これにより、様々な企業がAlexaを用いた独自の対話型サービスを提供可能になるでしょう。
9.記事を書く
2016年11月1日、AI記者によって執筆された記事が中部経済新聞に掲載されました。このAI記者は中部経済新聞のこれまで発行された記事を学習することで、中部経済新聞の歴史を語る文章を執筆しています。この手法によって書かれた記事は、人間の記者が執筆した記事と遜色がないと各メディアに取り上げられました。 実は、天気予報や決算レポートなど、定型的でスピードが重視される文章を作成する人工知能は、すでにビジネスで実用化され始めています。さらに、型にはまらないクリエイティブな文章を作成する人工知能の研究開発も進んでいます。人間の記者とAI記者が、それぞれの得意領域で手分けして協力しあう日も、そう遠くないでしょう。 参考:中部経済新聞が、AI記者を採用!創刊70周年記念企画|中部経済新聞
クリエイターになる
人間は、ものづくりをするときに、これまでの学習や経験を参考にして、新しいものを作り出します。最近の人工知能は人間と同様に、絵画や楽曲などの作品を学習することで、芸術作品を新たに創造できます。
10.画家になる
1606年生まれの画家・レンブラントが、2016年に新作を発表しました。
これは「The Next Rembrandt」というプロジェクトから生み出された、人工知能による作品です。代表的バロック絵画の画家・レンブラントの絵を、表面の凹凸のような細かい部分までデータ化し、彼の作風を人工知能に学習させました。そうすることで、あたかもレンブラント本人が描いたような絵を生み出せました。 参考元:機械学習したAIがレンブラントの”新作”を出力。絵具の隆起も3D再現した「The Next Rembrandt」公開|Engadget 日本版
11.映画監督になる
映画の予告映像(トレーラー)は、この映画を観たいと思わせるために本編のどの部分をどのように見せるのかを工夫するノウハウが必要です。このような映像監督も人工知能が手掛けるようになりました。 リドリー・スコット監督の息子、ルーク・スコット監督の新作ホラー映画「Morgan」。この映画のトレーラーは人工知能によって制作されました。この人工知能は、100本にも渡るホラー映画のトレーラーを分析することで、映画本編からふさわしいシーンをチョイスし、トレーラーを完成させました。
参考:IBMのWatsonが作った人工知能映画(Morgan)の予告編ムービー|TechCrunch Japan
12.作曲家になる
また作曲する人工知能も登場しています。例えば、Jukedeckは、利用者がジャンルとムード、演奏時間を指定するだけで、数十秒で自動作曲してくれます。あらかじめ用意されたテンプレートに沿って作曲するわけではないため、同じ条件設定でも、毎回全く異なる楽曲を作成してくれます。
まとめ
いかがでしたか?このように、人工知能は、特定の機能については、人間のように、あるいは人間以上に能力を発揮できるレベルに達しています。このような話を聞くと、「このままだと人工知能によって人間が仕事を奪われてしまうのではないか?」と危惧する人も少なくないでしょう。 しかし、実際には、仕事を奪われるのではなく「人工知能を使いこなし勝ち残る者」と「人工知能を使いこなせず競争力を失う者」に分かれていく、ということではないでしょうか。 人工知能を取り入れた次世代ビジネスの競争はすでに始まっています。この競争に乗り遅れ、競争力を失う者とならぬように、あなたもビジネスへの人工知能活用について検討をはじめましょう。
ビジネスにAIを取り入れるのには、どうすればよいのか?(PR)
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