クリック課金で無駄撃ちが少なく、「検索」をしているユーザに広告が出せるのでモチベーションが高いユーザにアプローチする事ができ、数万円~という少額でも出稿が可能!と、いう事で広告費の捻出が厳しい多くの中小企業の味方だったのですが・・・。 昨今、検索連動型広告へ大手がガンガン参入してきた事により、CPCは高騰傾向・・・。 市場はナカナカに厳しくなってきました。 そこで、攻略したいのが、ディスプレイ広告です。 ディスプレイ広告は、検索連動型広告のように検索している人に”ドンピシャ”でアプローチする事はできませんが、セグメントで絞ったり、過去の検索履歴を元にターゲティングしたり、リスティングに次いで細やかなターゲティングが可能なネット広告といえます。 (ディスプレイ広告の詳細についてはこちらの記事をご参考にしてください:ディスプレイ広告を手堅く始める為の3ステップ|LISKUL) ディスプレイ広告攻略のために重要なのは「バナーの検証」です。 なぜなら、ターゲットとしては、潜在層となるためどのようなターゲットを、どのような訴求でサイトへ誘導するか?ココの精度をいかに高める事ができるかでディスプレイ広告でのCVRのアップが狙えます。 今回は、今まで私がネット広告のコンサルタントとして経験してきた約10年分の検証の知見と手順を纏めて記載致します。進め方・仮説の考え方等、バナー検証に関するノウハウの全てについて記載しますので、是非、貴社の参考にして頂ければと思います。

【目次】

【1】バナー検証が必要な理由 【2】バナーを作る前に整理して置くこと   -流入元とターゲットについての整理 【3】バナー検証の基本の考え方  ①王道の訴求を決める   -バナーの訴求軸を洗い出す   -優先順位をつけてトーナメントを作る  ②王道訴求のブラッシュUP   -ブラッシュUPパターンの考え方 【4】バナー検証の進め方   -検証方法はABテスト?期間検証?   -どのくらいの母数で「勝敗」を決めるの?   -バナー検証はどのくらいの頻度で実施するのが効果的? バナー検証の事例3選 終わりに

【目次】【1】バナー検証が必要な理由▼検証についてのよくあるお悩み【2】バナーを作る前に整理して置くこと-流入元とターゲットについての整理【3】バナー検証の基本の考え方①王道の訴求を決める/バナーの訴求軸を洗い出す②王道訴求のブラッシュアップ/ブラッシュUPパターンの考え方【4】バナー検証の進め方バナー検証の事例3選▼事例①:訴求軸を検証する▼事例②:細かい部分マキシマイズの検証をする▼事例③:細かい部分マキシマイズの検証をする終わりに

【1】バナー検証が必要な理由

ディスプレイ広告を実施するのであれば、必ずバナーの検証は行うべきだと思います。なぜなら、検索広告と違い、ターゲットが絞込きれない分、優良なユーザを連れてくるにも、たくさんのユーザ流入を狙うにも、まずはユーザの興味を引くためのバナーが磨きこまれていなければ、効果の改善はありません。 なので、広告とバナー検証はセットでやって頂く事をオススメします。 例えば、下記の3つのバナーの中であれば、どのバナーが効果が良いと思いますか?

例)ダイエットドリング/メリット別訴求バナー

いかがでしょうか? どれも商品のメリットを謳っていますが、③実績訴求がほかのものよりも2倍程度、クリック率が高いです。 漫然と商品のメリットを謳った訴求ではなく、きちんと仮説を持ち、検証をしていく事で「”ぐっ”と刺さる」バナーを作っていく事ができるのです。 ただし、どの訴求がベストか?は一発で決められるものでもないので「検証」をする事が重要です。 ですが、「検証をしよう!」となってもお悩みになるのが下記のパターンです。

▼検証についてのよくあるお悩み

・検証ってどのくらい母数が貯まれば「勝敗」をつけていいの? ・需要期・閑散期については加味した方がいいの? ・ABテストと期間検証とどっちがいいの? ・何パターン試せば「王道」にいきつくの? ・訴求に対する検証とターゲットに対する検証は一緒にやっていいの? 等など、進めていくうちに、どこまで深追いしてよいのか?何を検証していたのかがわからなくなってしまう事が多々あります。それでも検証をしないよりはした方がずっと有意義だとは思いますが、出来ればどの結果がもっともよいのか、順を追って検証を進められれば一番効果が高いバナーに最短でたどり着けるのではないかと思います。 次の章からは具体的な進め方について、順を追って記載していきます。

【2】バナーを作る前に整理して置くこと

-流入元とターゲットについての整理

バナーを作る!という前にまず、事前の整理をしておく事が重要です。 具体的には下記4点を整理しましょう。 ①配信方法はどこですか? ②配信面はどのようなところですか? ③貴社サービス・商品の強み ④今のバナーの訴求(過去検証していたものがあればそれも) 例えば、下記のような形でまとめます。 まずは、ここまで一覧化し情報の整理をしましょう。 闇雲に思いつきで検証をはじめてしまうと、結局何がいいのか?が途中でよくわからなくなってしまうので、現状を整理した上で「誰(=セグメント)」に対してどのような「条件(=配信方法)」の元「何を(=強み)」の検証していくのか?そして、今は何が掲載されているのか、キチンと把握する事から初めましょう。これは、綺麗にエクセル等に纏めなくても、一度紙に簡単に書き出すだけでも良いので整理をする事が重要です。

【3】バナー検証の基本の考え方

①王道の訴求を決める/バナーの訴求軸を洗い出す

さて、商品・サービスの整理ができたら、まずは、貴社が勝てる王道バナーの訴求軸を探しましょう! 「値段で推すのが良いのか?」「初回限定のお得訴求でいくのが良いか?」「満足度を押し出すか?」 その時に重要なのはキチンと「訴求軸」と「仮説(なんで良いと思ったのか?)」をセットにして考える事です。 そして、優先順位をつけてトーナメントを作ります。 次に、どの訴求が一番勝てそうか?当りをつけて優先順位をつけます。この時の当りの付け方としては例えば、下記のようなものを参考とします。 ・雑誌・チラシ等で過去検証し、勝った経験がある訴求 ・現場の営業マン・販売スタッフにヒアリングし、実際のお客様の反応率が高いもの ・過去調査データ等があれば、それを参考にする もし、上記のような参考にすべきものがひとつもない場合には、商品・サービスを企画した貴社が「勝てる」と思っている強みの信じ、優先順位をつけましょう。 ▼例 ◯訴求:体重DOWN(優先度1位) ◯訴求:ランキング一位(優先度2位) ◯訴求:値引き/値段訴求(優先度3位) ▼トーナメント表 ここまで考え、計画をたてたら、この優先順位順に検証を行っていきます。 何故優先順位を付けるのか?というと、「勝ちパターン」の訴求バナーがずっと掲載されている事が最も望ましいので、その可能性が高いものから検証をスタートする事で「勝ちパターン」のバナーを検証しつつもずっと掲載させておける可能性が高いから。です。検証によるリスクや機械損失は少しでも減らした方が良いので、このように順序立ててスケジュールをたてる事がオススメです。

②王道訴求のブラッシュアップ/ブラッシュUPパターンの考え方

前章で「勝ちパターン」となる「訴求軸」が決まったら今度はどういう構成・言い回しが良いのか?というブラッシュUP検証を進めましょう。 この段階になると、訴求すべき事は無限にあります!! 例えば・・・・ ・安い!という文言は「格安」が良いのか?「激安」が良いのか? ・権威付けは「メダル」が良いのか「丸枠」のが良いのか? ・割引率は「◯%オフ」が良いのか「◯円引き」が良いのか? ・写真の女の人は「アップ」が良いのか「全身」が良いのか? ・写真は「男性」がいいのか?「女性」がいいのか? ・訴求内容を「言い切りの形」でいうのか?「疑問形」でいうのか? ・・・等など。 このようなとても細かいデザインに対する検証は本当に無限にあるので、無限ループに入ります。 本当はこの限りない検証をどんどん回し続けてブラッシュアップするというのが良いのですが、ココも思いつきでやり続けてしまうと、結果何がよかったか?いつがやめどきなのか?が全く分からなくなってしまい迷宮入りするので、このブラッシュUP検証の段階でも「仮説」と「優先順位」をつけて最低限抑えておくべきところが、どこまでか?までは決めておきましょう。 最低限やっておいた方がよいブラッシュUP検証として、押さえておくべき検証パターンは下記の3つです。

①レイアウト検証

何の要素を一番強調するのが効果的かを試してみましょう。 ・Aは商品を強調し、こんなにイロイロ試せますよ~という感じがするバナー ・Bは「無料」を強調し、お得感がメインになっているバナー →上記は同じ「無料モニター募集」に対する訴求でもレイアウトで印象が全然違いますね。 (※参考バナー:山田養蜂場)

②言い回し検証

同じ訴求でも言い回しで印象が変わる場合は下記のようなパターンを試してみましょう。 ・Aは「潤い」「ファンで不要」という訴求で、保湿力の高さを表現しています。 ・Bは「ほうれい線」「はり」「ピーンという擬音」で、保湿力の高さをアピールです。 →同じ「保湿力」という強みの効果に対し、どういう言葉・言い回しで効果を想起させるのか?を考えましょう。推測ですが「A」は標準的な文言なので、万人受けしそうですね。ただ、絶対的な悩みに対する解決提示ではないです。「B」は”ほうれい線”というキーワードがでているので、ある程度年上の女性以外はターゲットからは外れてしまいそうです。ただし、ほうれい線が悩みとなっているターゲットにはメリットが伝わりやすいので、反応率は高いかもしれません。 (参考:ライスフォース)

③季節訴求検証

季節によってニーズが左右される場合にはその季節に沿った訴求も試しておきましょう ・Aは「季節」を訴求に入れ「今」やらなければいけないような煽りのコピーです。 ・Bは「常時」訴求として使える割引コピーです。 →ただただ、季節感を入れ込めば良いという事ではなく、需要期にユーザニーズが高まるタイミングでユーザが求めている、または「やるべき」と感じるような訴求にする事で良い結果がでる事が多いです。 (参考:ミュゼプラチナム) この3つをまずはブラッシュUP検証の際には押さえておく事をオススメします。 その後の本当に細かボタンの色は「赤」と「青」どっちがいいか?とかそのレベルの検証については、仮説は必要ないので、とにかく気が済むだけパターンを出して検証していけば良いと思います。

【4】バナー検証の進め方

どのくらいの母数で「勝敗」を決めるの?

さて、コレで検証のスケジュールが決まりました。ところで何を持って「勝敗」を決めるのが良いでしょうか? 統計学的に知りたいという事であれば、算出してくれるツールもあるので、こういったものを使うと良いでしょう。 ■A/Bテスト信頼度判定ツール | 真摯 (Cinci) 「ただ、母数が少なく統計優位性が算出されない。」という場合は下記のようにある程度の母数とある程度の結果の差が出た時に仕切りを作り進めます。 ▼仕切りの例 ・クリックが「A」「B」でクリックが200以上たまり、CTRの差が「1%以上」ついている時もしくはクリックに「20以上」の差がでた時 ※このクリック「200以上」の仕切りに関してはある程度月間のクリック数を加味しざっくり決めます。が、このクリック母数が「100」を切るとかなり検証母数としては心もとない印象です。その場合は予算を増やし母数を集めないと、そもそも「検証」をするという事自体が難しいと考えた方がよいかもしれません。 この仕切の基準に当てはめても差が見られない場合は「引き分け」とし、どちらか思い切って決めてしまい、次の検証に進んだ方が良いでしょう。

バナー検証はどのくらいの頻度で実施するのが効果的?

さて、バナーの検証はどのくらいの頻度で実施するのが良いのでしょうか。 一番は上記でも記載しましたが、ずっと検証を回し続け、常に勝ちパターンを模索するのが望ましいです。 ただし、制作費や時間等も掛かるため「ずっとは無理!」という方も多いでしょう。 その場合でも、1年に一度は検証をし続ける事をオススメします。 また、季節によって訴求やニーズが変化するサービス(例えば「脱毛」「ダイエット」「旅行」等)に関しては、その季節ごとにも検証を実施する事をオススメします。 市場やユーザニーズ・競合は常に変化をし続けるので、去年「NO1」だった訴求が今年も「NO1」であるかはわかりません。 そのため、やはり定期的に検証をする事はオススメします。ちなみに、検証時期としては、閑散期のうちに検証をしておき、ベストの状態で需要期を向かえるというスケジューリングが最も検証としては効果が発揮できると思います。

バナー検証の事例3選

ココで、バナー検証の実例をいくつかご紹介します。 仮説と訴求パターンとセットで例を載せるので、参考にしてください。

▼事例①:訴求軸を検証する

下記「Yahooニュース」の訴求軸は何が一番よいか?の検証をしたケースです。 こちらは、「バナー検証の基本の考え方」の章でお伝えした「王道の訴求を決める」にあたります。 【訴求軸の検証例】 A)地域設定をすることで、都道府県別のタブでニュースが読めること B)Yahoo!ニュースの公式アプリであること C)重要なニュースや防災速報がプッシュ通知で届くこと D)Yahoo!ニュース編集部が人力で作成したトピックスが読める=時間のない人も、トピックスに目を通すことで重要ニュースを一通りおさえることができる 上記のような仮説を元に、訴求軸を洗い出し検証をした結果となります。 効果としては、「A」の都道府県別ニュースの効果が強かったようです。こちらの事例紹介の記事の中では、他にも色々な切り口で検証をし、最も効果が高いバナーへブラッシュアップしていく過程が紹介されており、とても参考になりますので、是非ご参考にしてみて下さいませ。 (参考:CVRを上げるためのバナー制作4つのポイント~Yahoo!ニュースアプリA/Bテスト事例からみえた「都道府県ニュース」の隠れた需要 – Yahoo!ニュース スタッフブログ)

▼事例②:細かい部分マキシマイズの検証をする

下記「副業5万円」を訴求する下記バナーで一番効果が高いかを検証したケースです。こちらは、「バナーの検証の基本の考え方」の章でお伝えした「レイアウト検証」にあたります。この検証をする前には、事例①で王道パターンを決定しておく事をオススメします。まずは何の訴求が良いのかを明確にしてから取り組む事で、最も効果が高い訴求をさらに効果UPさせる事ができます! 【様々なレイアウト・言い回しの検証】 上記の①~④で最も効果が高いのは・・・・ 「②」のバナーで「0.2558%」です。他のバナーはだいたい「0.1000%~0.1500%」程度のクリック率です。つまり、②のバナーが他のバナーより2倍程度効果が高くなりました。結果としては、②のバナーがよく、「文字のメリハリ」があり「5万」というメリットが堂々と目立っている。という事は言えますが、このバナー4つをみて、どれが良いはず、ときちんと並べられる人はいないのではないでしょうか?? 訴求のレイアウトやブラッシュアップに関しては、いろんな案をだしとにかく検証してみる事でわかってくる事も多いと思います。 (参考:C-teamで作るバナー広告の効果がスゴすぎてひいた話 : けんすう日記)

▼事例③:細かい部分マキシマイズの検証をする

こちらも言い回しのバナー検証の事例です。上記よりも明確に”商品の値引き”についての言い回しを検証しています。 【画像の見せ方の検証】 結果は「B」パターンのCVRが60%も改善しました。 この場合は画像を大きく見せ、出来るだけシンプルにした方がユーザに刺さるというような結果が得られました。ただ、この結果は「ダイソン」というブランドが大きく貢献しており、あまり多くの訴求をいれずとも、最初からユーザの信頼度が高かったため、インパクト重視のバナーが検証で勝った、という見方もできます。 なので、やはり一概にこの場合は「こう!」という事は言えず、色々な要因により結果が左右されるので、まずは検証を実施してみる!というスタンスが重要だと思います。 (参考:CVが152%アップしたABテストの具体的な事例とノウハウ)

終わりに

いかがでしょうか? このように、バナーの検証は「仮説」と「優先順位」をセットとし、きちんと検証スケジュールを設計する事で「どういう時に勝てるのか?」「何がユーザに刺さっているのか?」が明確に知見として貴社の中で貯める事ができます。 この知見はランディングページでの転用や、チラシ・雑誌・交通広告での展開も可能です。 是非、検証はこのように設計した上で、行って勝ちパターンを作り上げていって頂ければと思います。

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