SaaSと呼ばれるソフトウェアの分野から広まったモデルですが、現在ではさまざまな業態でサブスクリプションモデルを採用するケースが増えています。 そんななかで、自社サービスにも取り入れるべきなのか、また取り入れるとしたらどうすれば良いのかとお悩みの方も多いのではないでしょうか。 本記事では、サブスクリプションモデルとは何か、従来型のビジネスモデルとの違いや事例、成功するためのポイントなどを解説します。 こちらを読めば、サブスクリプションモデルの特徴をふまえて、自社でも採用すべきかの判断ができるようになるはずです。 サブスクビジネスを成功させる料金設定の基礎攻略ガイド
サブスクリプションモデルとは
サブスクリプションモデルとは、企業の商品・サービスを定額で提供し、顧客が利用期間に応じて使用料を支払う形式のビジネスモデルです。定額制を採用している場合が多いが、近年は従量課金制も増えてきており、利用期間は月単位や年単位など企業によって異なります。
サブスクリプションモデルとは「買い切りモデル」との違い「定額サービス」との違い「SaaS」との違いサブスクリプションモデルはITサービスだけにとどまらないサブスクリプションモデルのメリット継続的な売上が得られる新規ユーザーを獲得しやすいデータの蓄積と分析がしやすいサブスクリプションモデルのデメリットコスト回収に時間がかかる想定以上に開発コストがかかる場合もあるサブスクリプションモデルの例BtoC商材BtoB商材サブスクリプションモデルを成功させる上で知っておきたいキーワードカスタマーサクセスLTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)ユニットエコノミクスCAC(顧客獲得費用)チャーンレート(解約率)MRR(月間経常収益)サブスクリプションモデルを成功させるポイント気軽に始められるプランを設計する顧客の利用状況のモニタリングをする顧客のニーズに合わせた商品プランを用意するまとめ
サブスクリプションモデルで多いのが、音楽配信サービスや動画配信サービスといった月単位で提供しているものです。最近では自動車や家具、顧客管理システムなど、BtoB・BtoCを問わずさまざまな業態で展開されています。 サブスクリプションモデルはSaaS(Software as a Serviceの略語)の世界から一気に広まったモデルです。 SaaSでは自ら「所有」はせず「利用」する権利を購入しますが、このSaaSとサブスクリプションモデルの相性が非常に良かったのです。 買い切りとなるとそれなりの費用が掛かりますし、失敗したくないのでなかなか購入の決断がしにくいですが、サブスクリプションモデルであれば使いたい期間だけ使えば良いので費用を抑えやすくなります。また合わなければ解約すればいいので、試しに使ってみるということが起きやすくなります。
「買い切りモデル」との違い
買い切りモデルは、提供された商品やサービスを購入し、所有できるビジネスモデルです。顧客は商品やサービスの「所有権」を購入する分、費用が高くなります。 また、購入後に商品・サービスの機能はアップデートされませんが(あるいはアップデートに追加費用が発生)、販売されなくなっても使用し続けられます。 一方のサブスクリプションモデルは、商品・サービスの「利用権」を提供します。費用は利用期間に応じて発生するため、利用期間が長くなるほど高くなります。 加えて、サービスは定期的にアップデートされ、常に最新の状態で利用できます。ただし、サービスが終了すると使えなくなります。
「定額サービス」との違い
サブスクリプションモデルでは定額制を採用されることが多いので、両者は混同されがちですが、サブスクリプションモデルは定額制とは限りません。 サブスクリプションモデルは利用期間や利用量に応じて料金が変動するモデルであり、必ずしも定額とは限りません。 月額・定額制のサービスが多いので誤解されがちですが、必ずしもそうではないことを認識しましょう。
「SaaS」との違い
サブスクリプションモデルは料金形態で、SaaSはサービスの提供形態なので全く別物です。 SaaSとは「Software as a Service」の略で、インターネットを経由して顧客がソフトウェアを利用できるサービスです。SlackやZoomなどが該当し、フリーミアムや都度課金などを組み合わせてサービスを提供します。 SaaSはサブスクリプションモデルと相性が良く、SaaSの多くがサブスクリプションモデルの課金形態を取っています。そのため、サブスクリプションモデルとSaaSを混同するケースが多いですが、上記の通り別物なので注意しましょう。
サブスクリプションモデルはITサービスだけにとどまらない
前述の通り、SaaSとサブスクリプションモデルの相性が良いため、SaaSを中心にITサービスで広がっています。 しかし、現代ではITサービス以外の有形商材でも、サブスクリプションモデルが拡大しています。 たとえば、ファッション関連の場合、顧客の診断結果やスタイリストのアドバイスに合わせて洋服を提供する『airCloset』というサブスクリプションモデルがあります。 またトヨタでは、数年間の契約で車が乗り放題になるサブスクリプションモデル『KINTO』を展開しています。新車へ乗り換えられたりガソリン代が込みの価格だったりと、従来のカーレンタルとの差別化も図っています。 このように、ITサービスから広まったサブスクリプションモデルですが、有形商材でも展開されるようになっています。
サブスクリプションモデルのメリット
サブスクリプションモデルのメリットは、主に以下の3つです。
継続的な売上が得られる新規ユーザーを獲得しやすいデータの蓄積と分析がしやすい
継続的な売上が得られる
サブスクリプションモデルの1つ目のメリットは「継続的な売上が得られること」です。 従来の買い切りモデルとは違い、サブスクリプションモデルは月額定額制を採用されることが多いです。そのため顧客がサービスを利用し続ければ、その間継続的な売上が得られます。 買い切りモデルの方が売った瞬間の売上は大きくなりますが、サブスクリプションモデルでは解約を防止できれば長期的に見れば買い切りモデルよりも高い収益が期待できます。 また安定した売上を見込めるので、売上の変動幅が小さくなり、安定的な経営がしやすくなりますし、投資などのリスクを取りやすくなります。 このように、サブスクリプションモデルは継続的な利益が得られる点が大きなメリットでしょう。 また従量モデルやカスタマイズによっては顧客ごとに異なる契約内容になり、請求金額が複雑になってしまいます。 継続課金ビジネスに特化した請求管理システムを使うことで、契約情報を正確に管理することができます。 「Scalebase」なら請求データの自動作成もできるので、気になる方はぜひ資料をご確認ください。
新規ユーザーを獲得しやすい
サブスクリプションモデルの2つ目のメリットは「新規ユーザーを獲得しやすいこと」です。 サブスクリプションモデルは、買い切りモデルと比較して少額でサービスをユーザーに提供します。 またサブスクリプションモデルではいつでも解約することができるので、試しに利用してみるということが起きやすくなります。 そのため、ユーザーの利用ハードルが低くなり、新規ユーザーを獲得しやすいです。 サブスクリプションモデルでは無料のおためしプランを用意することも多く、それにより更に新規ユーザーが獲得しやすくなります。
データの蓄積と分析がしやすい
サブスクリプションモデルの3つ目のメリットは「データの蓄積と分析がしやすいこと」です。 サブスクリプションモデルは継続型のビジネスモデルであるため、ユーザーの利用履歴データを長期間に蓄積できます。 サブスクリプションモデルでは解約が付き物ですが、どういうユーザーが、どういう理由で解約しているのかをヒアリングし分析することで、サービスの改善にあたることができます。 そしてユーザーの満足度をさらに高めて、解約率の低下や新規ユーザーの獲得に期待できます。 買い切りモデルでは、事業者視点では売ることが一番の目標であり、売った後にどういう使われ方をしているのかはあまり追わないことが多いでしょう。 そもそも商材によっては、どういう使われ方をしているのかのデータを取得することができないケースも多いはずです。 このように、ユーザーのデータを蓄積し分析に活用しやすいことはサブスクリプションモデルのメリットといえます。
サブスクリプションモデルのデメリット
サブスクリプションモデルのデメリットは、主に以下の2つです。
コスト回収に時間がかかる想定以上に開発コストがかかる場合も
コスト回収に時間がかかる
サブスクリプションモデルの1つ目のデメリットは「コスト回収に時間がかかること」です。 サブスクリプションモデルは、商品やサービスを少額でユーザーに提供するかわりに、長く使ってもらうことでコストを回収するモデルです。 そのため、買い切りモデルと比較するとコスト回収に時間がかかるのがデメリットです。 また長く使ってもらうことが前提のモデルなので、ユーザーのチャーン(解約)が多いと売上が減少する仕組みになっています。 チャーンを減らすためにはカスタマーサクセスが必須となります。このカスタマーサクセスを実施する人員やスキルが必要になることも押さえておきましょう。 参考:カスタマーサクセスとは?基礎知識から事例・取り組み方までわかりやすく解説 参考:チャーンレート(解約率)とは?SaaS最重要指標の計算方法・下げ方
想定以上に開発コストがかかる場合もある
サブスクリプションモデルの2つ目のデメリットは「想定以上に開発コストがかかる場合があること」です。 サブスクリプションモデルは、買い切りモデルと比較すると単月の利用料金がかなり少額なので、一定以上の利用者がいないとビジネスとして成り立ちません。そのため、ユーザーの解約数をできるだけ減らせるように、顧客ニーズに沿った商品やサービスに改善し続けていくことが必須です。 その一環として、新しいコンテンツを作成したり新機能を追加したりすることで、想定以上に開発コストがかかる場合があります。
サブスクリプションモデルの例
サブスクリプションモデルの例を、BtoC・BtoB商材に分けて紹介します。
BtoC商材
30日間の無料トライアルも実施しており、新規ユーザーの獲得をしやすい体制を整えてつつ、「30日間無料利用 → 有料会員への登録」の流れでアップセルを行い、継続的な売上につなげる仕組みを作っています。
約6,000万曲を気軽に視聴できる「Apple Music」
「Apple Music」は、音楽配信サービス系のサブスクリプションモデルです。約6,000万曲を気軽に聴けるサービスとして、多くの人が利用しています。 Apple Musicの特徴は、料金プランが豊富な点です。月額480円の低額な個人プランから月額1,480円のファミリー向けプランまで、計4つのプランから選べます。料金が高くなるほどサービス内容が充実していき、自分に合ったサービスを選べることで、ユーザーの利用障壁を下げています。 また、ストリーミング再生やプレイリストの作成、ユーザーに合った音楽の提案など、魅力的な機能が詰まっています。
複数の資産を自動的に管理できる「マネーフォワード ME」
「マネーフォワード ME」は、家計簿の作成と資産管理ができるサブスクリプションモデルです。収支を簡単に把握できると、多くの人から好評を得ています。 マネーフォワード MEでは、月額500円で利用できる「プレミアムサービス」に加え、無料で利用できる「無料サービス」も提供しています。そのため、ユーザーの利用障壁がほとんどなく、新規ユーザーの獲得に長けています。 無料サービスでも家計簿を作成できますが、機能に制限がかけられています。プレミアムサービスは制限を解除し、カードの残高表示や家計資産レポートといった、無料サービスになかった機能を利用できるようになります。 マネーフォワード MEは、獲得した新規ユーザーをアップセルでプレミアムサービスを提案し、顧客ニーズに沿ったサービスを提供して継続的な売上につなげているのです。
家具・家電を1ヶ月から借りられる「CLAS」
「CLAS(クラス)」は、家具や家電製品をレンタルできるサブスクリプションモデルです。一度買うと長く利用するのが一般的だった家具や電化製品を気軽に、そして低額でレンタルできると、多くの利用者から人気を得ています。 ソファや棚、ラグ、冷蔵庫など、さまざまな商品が提供されており、商品ごとに月額料金が設定されています。利用者は、それらの家具や家電製品を好きに選んでレンタルする仕組みです。 家具や電化製品は高い商品が多く、購入する際はどうしても慎重になるでしょう。しかし、CLASは利用料金が安く、万が一失敗したときのリスクも小さくなります。 「お試しで気になる商品を使いたい」「引っ越しが多くて家具を短期間しか必要としない」という顧客をターゲットにしたサブスクリプションモデルです。
BtoB商材
最新バージョンを安価で利用できる「Microsoft Office 365」
「Microsoft Office 365」は、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトを提供しているサブスクリプションサービスです。従来は買い切りモデルだったMicrosoft Officeですが、サブスクリプションモデルも始めています。 家庭向けから法人向けプランまで、さまざまな料金プランが用意されており、月額1,000円前後で利用できます。1カ月間の無料トライアルの実施で、新規ユーザーの利用障壁を下げる工夫をしています。 また、Officeソフトは3年に1度アップデートを行っています。買い切りモデルはアップデートに対応しておらず、何年経っても購入時のバージョンでしか利用できません。その点、サブスクリプションモデルはアップデートでき、常に最新バージョンでの利用が可能です。
複数アプリが使える「Adobe Creative Cloud」
「Adobe Creative Cloud(アドビ クリエイティブ クラウド)」は、クリエイター向けのサービスを提供しているサブスクリプションモデルです。画像を作成できる「Illustrator」や画像を編集できる「Photoshop」など、20種類以上のアプリを利用できます。 以前は売り切り型でサービスを展開していましたが、サブスクリプション化へとビジネスモデルを転換しました。その結果、百万の規模だったユーザー数が数千万の規模に上がりました。 また、サブスクリプションモデルに転換したことで、アップデート期間の短縮に成功し、ユーザーに新機能や改善したツールをすばやく提供できるようになりました。
法人向け会計サービスが利用できる「freee」
「freee」は、確定申告を簡単に行えるサブスクリプションモデルです。クラウド型会計ソフト内では国内NO.1のシェア率で、多くの個人事業主や中小企業が利用しています。 知識がなくても確定申告を作成しやすいシンプルさと、ゲーム感覚でできるほど簡単な操作感に定評があります。 料金プランは法人と個人向けに分けており、料金も低額で利用しやすい環境を整えています。加えて、1カ月間の無料トライアルもあり、利用障壁を下げる工夫もしています。
コミュニケーションからタスク管理まで対応した「Chatwork」
「Chatwork」は、ビジネスチャットサービスを提供しているサブスクリプションモデルです。国内利用者数No.1の実績を持ち、中小企業向けに展開しています。 メールや電話、会議・訪問など、仕事で必須となるコミュニケーションを効率的に行えます。タスク管理やビデオ通話も可能で、Chatworkだけで全てのビジネスコミュニケーションを支えてくれます。 Chatworkには無料版もあり、サブスクリプションに切り替えることで無料版にはなかった機能を利用できたり、利用制限が解除されたりします。
サブスクリプションモデルを成功させる上で知っておきたいキーワード
サブスクリプションモデルをより深く理解するため、そして成功させるためにも、以下のキーワードを理解しておきましょう。
カスタマーサクセスLTV(顧客生涯価値)ユニットエコノミクスCAC(顧客獲得費用)チャーンレート(解約率)MMR(月間経常収益)
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスとは、顧客の成功を最優先して取り組むマーケティング概念です。「顧客の成功」とは、顧客が期待した商品やサービスを購入できた状態を指します。 サブスクリプションモデルを成功させるうえでカスタマーサクセスが重要なのは、サブスクリプションモデルがユーザーに利用し続けてもらって収益を伸ばすビジネスなためです。 サブスクリプションモデルは、利用者が一定数以上いなければビジネスとして成り立たず、既存顧客の解約を防ぐことが重要となります。 そのためには、顧客ロイヤリティを高める、つまり顧客に成功を届けるカスタマーサクセスが不可欠です。 カスタマーサクセスについて詳しく知りたい人は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。 参考:カスタマーサクセスとは?基礎知識から事例・取り組み方までわかりやすく解説
LTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)
LTV(ライフタイムバリュー)とは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益のことです。一般的には、商品やサービスへの愛着があるほどLTVが高いとされています。 LTVは以下の数式で計算できます。 両数式から、サブスクリプションモデルにおいては長く使い続けてもらうことでLTVが増えていくことが分かります。 カスタマーサクセスにより顧客のチャーン(解約)を減らし、LTVを最大化することがサブスクリプションモデルにおいて必要になります。 LTVについては以下の記事も参考にしてください。 参考:LTV(顧客生涯価値:Life Time Value:ライフタイムバリュー)とは?計算方法と広告活用での成功事例
ユニットエコノミクス
ユニットエコノミクスとは、顧客ひとりあたりの採算性を表す指標です。 「LTV ÷ CAC(顧客獲得にかかる費用)」で算出でき、1人あたりのLTVがCACを上回っていれば、事業が健全であるといえます。 売れたときにコストを回収する従来の買い切りモデルとは違い、サブスクリプションモデルは顧客を獲得した段階だと赤字のままです。長期的に利用してもらうことでコストを回収し、利益が生まれます。 そのためサブスクリプションモデルを採用する場合、ユニットエコノミクスを確認し、事業の採算性に問題が無いかをモニタリングする必要があります。 実際は成長性があるのに売上だけを見て赤字事業と捉えてしまう可能性があるためです。
CAC(顧客獲得費用)
CAC(Customer Acquisition Cost、カスタマーアクイジションコスト)とは、顧客を獲得するためにかかった費用のことです。 算出方法は「顧客獲得コスト ÷ 顧客数」で、CACがLTVを上回った際は事業の維持が難しいと判断できます。 CACは、ユニットエコノミクスを算出する際に使用します。先述の通り、サブスクリプションモデルを提供するうえで、ユニットエコノミクスを確認して事業の健全性をモニタリングする必要があります。 ユニットエコノミクスを用いるためにも、CACを知っておく必要があります。
チャーンレート(解約率)
チャーンレート(解約率)とは、月初にいる利用者のうち、月末までの解約率を表す指標です。 「月間の解約利用者数 ÷ 月初の利用者数」で算出できます。 サブスクリプションモデルにおいてチャーンレートが重要視されるのは、チャーンが売上に直接的なインパクトを与えるためです。 LTVは「LTV = ARPU(ユーザー平均月次単価) × 粗利率 ÷ チャーンレート」で計算できますが、チャーンレートが増えるとLTVが減ってしまうことがこの数式から読み取れます。 具体的には、チャーンレートが5%のときと、クロスセルやアップセルでマイナス2.5%まで引き下げた場合を比較すると、5年後にMMRで約4倍の差が生まれます(MMRはMonthly Recurring Revenueの略で、月次収益のことです)。 このように、サブスクリプションモデルにおいてはいかにチャーンレートを抑えられるかが収益を伸ばすカギとなります。 参考:チャーンレート(解約率)とは?SaaS最重要指標の計算方法・下げ方
MRR(月間経常収益)
MRR(Monthly Recurring Revenue、マンスリーリカーリングレベニュー)とは、その月に確実に得られる利益のことです。日本語だと「月間経常収益」と訳されます。 月額定額制が多いサブスクリプションモデルは、MRRの数値が事業の将来性・成長性などを見極める指標となります。MRRを測定することで、サービス内容や戦略の見直す必要性も検討できます。 ビジネスの安定性や成長性を把握するための指標であり、現状の課題を分析するためにも重要な指標です。
サブスクリプションモデルを成功させるポイント
サブスクリプションモデルの成功には、以下のポイントは押さえたうえで展開することが大切です。
気軽に始められるプランを設計する顧客の利用状況のモニタリングをする顧客のニーズに合わせた商品プランを用意する
気軽に始められるプランを設計する
サブスクリプションモデルを成功させるためには、気軽に始められるプランを設計することが大切です。 サブスクリプションモデルで売上を伸ばしていくためには、まず利用ユーザーを増やす必要があります。そのため、自社サービスの特徴を踏まえたうえで、ユーザーの利用障壁を下げられるようなプランを設計することが重要となります。 たとえば、一定期間無料で利用できるようにしたり、キャンペーンで一定期間の月額料金を安くしたりなどが挙げられます。 新規ユーザーにサブスクリプションモデルの利用を促す際の基本的な施策です。
顧客の利用状況のモニタリングをする
サブスクリプションモデルを成功させるためには、顧客の利用状況のモニタリングをすることが大切です。 顧客の利用状況をモニタリングして、ユーザーがどのような使い方をしているか、どの程度利用しているかなどを確認します。モニタリング結果をもとにヘルススコアを設計すれば、解約の予兆があるユーザーの解約を防ぎにいけます。 逆に、利用頻度が多く長期的な利用が期待できるユーザーに対しては、クロスセルやアップセルを仕掛けることで、顧客単価の向上を狙えます。 このように、顧客の利用状況をモニタリングすることで、サブスクリプションモデルの売上維持・向上に貢献できるのです。
顧客のニーズに合わせた商品プランを用意する
サブスクリプションモデルを成功させるためには、顧客のニーズに合わせた商品プランを用意することが大切です。 自社で設定したサービス内容を提供することが多いサブスクリプションモデルは、基本的に月額料金やサービス量などをユーザーが設定できません。そのため、顧客ニーズに合わず、せっかく良いサービスでも利用者が増えないことがあります。 顧客のニーズに合わせた商品プランを用意することで、より多くの新規顧客の獲得を見込めます。 たとえば、通常のスタンダードプランに加えて、より高品質なプレミアムプラン、より低コストなベーシックプランを用意すると良いでしょう。
まとめ
サブスクリプションモデルは、商品・サービスの利用期間に応じて料金を支払ってもらうビジネスモデルです。 サブスクリプションモデルのメリットとデメリットは、以下の通りです。 サブスクリプションモデルを成功させるためには、カスタマーサクセスやLTV(顧客生涯価値)、ユニットエコノミクスなどの知っておきたい言葉がたくさんあります。 また、以下のポイントも押さえておきましょう。 本記事でサブスクリプションモデルが自社サービスとマッチングしているか考えて、マッチしている場合は導入を検討してみてください。