動画広告はそのメリットを最大限有効活用することで、非常に低単価で認知拡大や興味関心を喚起することができます。 参考:ネット専業広告代理店によるテレビCM提案のコツと、地方・中小企業の支援にも効果的なワケ 本記事では動画広告のメリット・デメリットを徹底的に解説し、その裏付けとなるアンケートデータから実際の活用事例まで紹介します。 この記事を読めば、動画広告のメリット・デメリットを他の広告と比較しながら十分に理解し、実施するかの意思決定ができるようになるでしょう。 この記事で紹介しているノウハウも含め、動画広告を使った集客成功のためのポイントを無料で配布しています。併せてご覧ください。 動画広告の最大のメリットとは?媒体の概要や提案方法などの基本まとめBOOK
動画広告・リスティング広告・ディスプレイ広告の特徴比較表
まずは動画広告のメリット・デメリットについて、リスティング広告・ディスプレイ広告との比較から見ていきましょう。
動画広告・リスティング広告・ディスプレイ広告の特徴比較表動画広告のメリットメリット1.認知拡大・ブランド形成に優れているメリット2.ストーリーテリングにより記憶に残りやすいメリット3.新商品の潜在的なニーズとウォンツを生起しやすいメリット4.SNSで拡散されやすい動画広告のデメリットデメリット1.直接購買につなげるのは難しいデメリット2.スキップされやすいデメリット3.動画作成編集にコストがかかるアンケートデータから見る動画広告の有効性動画広告視聴後のユーザー行動電車内動画広告のユーザー反応考察:動画広告は認知拡大・興味関心に有効動画広告の有効的な活用事例3選スキップボタンを逆利用して、5秒完結の視聴率100%広告を制作「Audi R8」販売促進に成功した「William Painter」行動喚起に成功したユナイテッド航空まとめ
参考:ネット専業広告代理店、テレビCM提案本格化。DACが仕掛ける統合プランニング支援の全貌 動画広告とリスティング広告、ディスプレイ広告(バナー広告)の特徴を比較すると以下の表のようになります。 リスティング広告やディスプレイ広告(バナー広告)と比較して、動画広告は低単価で新商品の認知拡大やサイトへの流入をすることができます。 一方で、動画広告を見てそのまま購入などのコンバージョンに至る可能性は低く、あくまで認知拡大に向いているものと認識すると良いでしょう。
動画広告のメリット
動画広告の主なメリットとしては以下があげられます。
認知拡大・ブランド形成に優れているストーリーテリングにより記憶に残りやすい新商品の潜在的なニーズとウォンツを生起しやすいSNSで拡散されやすい
メリット1.認知拡大・ブランド形成に優れている
動画広告は他の広告と比較しても認知拡大やブランド形成において優れています。 動画広告は数秒の視聴でも視覚・聴覚・感覚に効果的にアプローチできるため、潜在意識及び顕在意識の両面において他の広告メニューに比べ記憶に残りやすいです。 そのため、購買選択の際にブランドを想起されやすいメリットがあります。 動画広告を視聴したときには購入しなくても、店舗などで同商材・ブランドを視認した際に、動画広告で見聞きした音声やイメージが想起され、購買決定の最後の後押しになるといったことは十分考えられるでしょう。 動画広告が認知拡大に効果的であることを示すデータもあります。 電通社の調査では、動画広告によるサービスの認知率が、バナー広告認知者に比べて約11ポイント、広告非認知者に比べて約24ポイント高いとのことです。
メリット2.ストーリーテリングにより記憶に残りやすい
動画広告ではたった数秒の再生時間でも訴求したい商品・ブランドのストーリーを十分に届けることが可能です。 引用:【静止画Ad vs. 動画Ad】印象度1.7倍、視聴後4割のアクション喚起 ~iPhone向け動画広告効果調査~|movieTIMES 一般的にユーザーは広告は嫌いでも、ストーリーは無意識に見入ってしまう傾向があります。 そして、ストーリーは右脳にイメージ記憶として長期保存されやすい傾向があるため、ターゲットユーザーに適した効果的な動画を作成できれば、高い認知度向上効果が見込める可能性があります。 ネオマーケティング社の調査でも、動画広告によって印象が良くなったと答えたユーザーのの意見として、ストーリー性やメッセージ性がその理由として挙がっています。 動画広告を作成する際は、商品やブランドのどんな物語をユーザーに届けたいかを念頭に動画全体の内容を設計するといいでしょう。 引用:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」|ネオマーケティング
メリット3.新商品の潜在的なニーズとウォンツを生起しやすい
動画広告をうまく活用すれば、潜在的なニーズとウォンツを呼び起こすことができます。
ニーズ:商品を購入する必要性。漠然とした欲求(例:痩せたい)ウォンツ:ニーズを満たすための手段。具体的な欲求(例:ダイエットサプリが欲しい)
新しい商品を宣伝するときに、リスティング広告ではそもそも知らない商品なので検索することができません。またディスプレイ広告では、知らない商品の魅力を伝えきるのは難しいでしょう。 しかし動画広告であれば、市場に認知されてない新分野の商品でもユーザーにその必要性・使い方・使用後の便益(ベネフィット)を効果的に認知させることが可能です。 類似商品が市場に無い場合、そもそもニーズとウォンツの概念を消費者に認知させるのは通常の広告では困難ですが、動画広告なら活用シーンを見せることでそれが容易に可能になります。
メリット4.SNSで拡散されやすい
動画広告は面白いコンテンツであれば、SNSで拡散されやすいメリットもあります。 Facebook動画広告は、いいねを押されるとユーザーの関係者に拡散されます。 また、Twitter動画広告はリツイート分の動画広告は課金非対象です。 そのため、ユーザーにとって好ましい動画広告を配信できれば、ユーザーによる拡散の連鎖から低予算でも十分な認知向上が期待できるでしょう。
動画広告のデメリット
メリットの多い動画広告ですが、以下のデメリットがあることも留意してください。
直接購買につなげるのは難しいスキップされやすい動画作成編集にコストがかかる
デメリット1.直接購買につなげるのは難しい
リスティング広告などと比べると、動画広告は直接購買につなげるのはやや難しい広告です。 その理由としては、まず動画広告を目にするときは動画視聴をすることが目的になっているので、それを中断して購買までいくのはなかなか難しいです。 しかし、動画広告の視聴をきっかけにして、商品に対するニーズやウォンツが生じた際に、検索して購入するといったケースは多々みられます。 ネオマーケティング社の調査では、動画広告がきっかけで商品を購入した人は17.7%となっています。 またCriteoの調査では、動画広告を見た後に商品・サービスを検索する人は50%、購入する人は39%となっています。 やや数値に開きはありますが、動画広告を見て商品に興味を持ち調べるユーザーは多く、そのまま購入する層も一定いることが分かります。 参考:動画広告がきっかけで購入した人は17.7% ネオマーケティングが「動画広告の接し方に関する調査」を実施|ECのミカタ 動画広告を見た後に「商品・サービスを購入した」消費者は39%、「検索する」は5割|ネットショップ担当者フォーラム
デメリット2.スキップされやすい
動画広告は動画視聴を阻害する特性上、スキップされやすい傾向にあります。 先のネオマーケティング社の調査でも、9割以上の人が動画広告をスキップすると回答しています。 参考:動画広告がきっかけで購入した人は17.7% ネオマーケティングが「動画広告の接し方に関する調査」を実施|ECのミカタ しかし一般的には、一定時間以上視聴されたり、広告をクリックされると課金される動画広告が多く、スキップされることが必ずしもマイナスばかりではありません。 スキップ不可の完全視聴型のメニューもあるため、目的に応じて使い分けるのが良いでしょう。 TVer広告はスキップ不可で、90%以上の視聴完了率を誇っている動画広告です。 以下の資料にTVer広告の基礎をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。 参考:【初心者向け】TVer広告の基礎知識
デメリット3.動画作成編集にコストがかかる
動画広告の作成・編集には一定のコストを要します。 動画作成を外注するなら外注費、自社作成なら従業員の人件費及び作成ノウハウの教育費や、人材の採用費など様々なコストが考えられます。 また、作成した動画を編集してABテストを実施する場合にも、編集における時間的・技術的コストなども生じます。 バナー広告やリスティング広告の広告文などのように一部分を変更してABテストするみたいな細かな調整が、簡単にはできない点もデメリットと言えるでしょう。 動画広告の制作の方法や費用については下記で詳しく解説しています。 参考:動画広告の5つの制作のポイントと主な制作方法2パターンを徹底解説
アンケートデータから見る動画広告の有効性
ここまで動画広告のメリットやデメリットについて解説してきましたが、動画広告の実施を更に後押しするデータをご紹介します。 動画広告がユーザーからどう評価されているのか、実際のアンケート結果をもとに解説します。
動画広告視聴後のユーザー行動
株式会社ネオマーケティングの『20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」』では、動画広告視聴後の行動として45.9%が動画広告で認知した商品をインターネットで検索、18%がSNSで検索したと回答しています。 さらには10.9%が身近な人に話したと回答しています。 また動画広告の内容により、そのブランド/企業/商品への印象が良くなったことが「ある」「たまにある」と回答した方は26.6%となっています。 参考:20歳~69歳の男女1000人に聞いた「動画広告の接し方に関する調査」|PR TIMES
電車内動画広告のユーザー反応
株式会社ディレンマの「動画&動画広告月次定点調査2019年総集編」では、10代の約3割が「電車内の動画広告を見て、興味を持った」経験があると回答しています。 電車内で展開される動画広告を見たことがある人は2019年8月度調査では54.7% 2017年7月度調査の48.0%、2018年1月度調査の51.0%から増加 電車内での動画広告を「見たことがあり、興味を感じたことがある」と答えた人は、20.5% 参考:動画&動画広告月次定点調査 2019年総集編【トレンドトピック版】|リサーチリサーチ
考察:動画広告は認知拡大・興味関心に有効
上記2つのリサーチ結果から推察して、動画広告で効果的にユーザーにアプローチすることが出来れば、ファーストステップでの認知及び興味関心を創発し、口コミによる情報の拡散が十分可能だと言えます。 動画広告のメリットを最大限活用するためには、動画広告視聴後のユーザー導線を適切に整備したLPを用意するなど、ユーザーのカスタマージャーニーを意識した広告運用の全体設計の構築が肝要だと言えるでしょう。 参考:動画広告の効果とは?他の広告との比較や配信媒体別の効果も詳しく解説!【成功事例あり】 | LISKUL また最も有効な動画広告であるYoutube広告の効果について、事例を交えて下記でも詳しく解説しています。 参考:事例から学ぶテレビCMとYoutube広告の併用のメリット・コツ| LISKUL テレビCMを実施している・する予定がある場合は、テレビCMと動画広告を併用することでさらなる認知拡大が図れます。詳しくは、長期的に認知拡大効果を実感できる!テレビCM×YouTube広告の組み合わせ施策をご覧ください。
動画広告の有効的な活用事例3選
動画広告の活用事例をパターン別に3社紹介します。
スキップボタンを逆利用して、5秒完結の視聴率100%広告を制作「Audi R8」
アウディ社は新型8Rの販売プロモーションに5秒視聴後にスキップ可能(スキップされたら費用が発生しない)なYouTubeインストリーム広告をうまく活用して、視聴率100%の成果を上げました。 新型8Rはわずか3.5秒で時速100kmに加速可能なハイパフォーマンスなスポーツカーのため、その加速性能を3.5秒で表現し、残りの1.5秒で商品名と社名を表示することでスキップされない5秒以内で新車の魅力を表現しました。 動画広告のスキップされる特性を逆利用したユーモラスさで新車の最も伝えたいイメージをユーザーに効果的に認知させることに成功した事例と言えるでしょう。
販売促進に成功した「William Painter」
サングラスのオンライン販売を行う「William Painter」は、YouTubeのTrueView アクション広告を活用することで、差別化の難しいサングラスのオンライン販売の促進を成功させました。 動画広告では、サングラスの活用シーンや装着時のサイズ感のイメージなど多様な人種・体型の人を動画に登場させ、ユーザーが購買時に懸念するポイントを十分に解消しています。 商品やブランドのイメージに一貫したストーリー性をもたせるなど、動画広告ならではの強みを生かして購買意欲を効果的に刺激して販売促進に成功した事例と言えるでしょう。 チャンネル内の動画はどれも面白く動画広告作成の参考になるので是非ご視聴ください。 参考:William Painter によるサングラスの広告の事例紹介|YouTube Advertising
行動喚起に成功したユナイテッド航空
ユナイテッド航空は、You Tube動画広告を有効活用することでYou Tube経由全体に対して広告経由で52%ものクリックスルーコンバージョンを記録しました。 TrueView アクション広告のターゲット設定にカスタムインテントオーディエンスを活用し、旅行などに興味関心の高いユーザーに絞って動画広告を配信しました。 動画内でユーザーが旅行気分を疑似体験できるようなイメージ動画を流し、巧みな行動喚起フレーズを織り交ぜて動画視聴後のチケット申し込みなどの行動をたくみに誘発しています。 参考:ユナイテッド航空のケーススタディ: 動画を通じたコンバージョン|YouTube Advertising
まとめ
動画広告のメリットは、主に以下が挙げられます。
認知拡大・ブランド形成に優れているストーリーテリングにより記憶に残りやすい新商品の潜在的なニーズとウォンツを生起しやすいSNSで拡散されやすい
なかでも特徴的なのが認知拡大やブランド形成に有効であるという点です。 リスティング広告やディスプレイ広告と比べて、ストーリー性を持った訴求ができること、情報量多く魅力を伝えられることがその理由です。 動画広告を初めて実施する際は、他の広告メニューと比較して敷居が高そうなイメージを持たれる方も多いかもしれません。 しかし、動画さえ一度作成できれば他の広告メニュー同様に簡単に設定して配信可能です。 たった数秒でも伝えたいメッセージを余すことなく伝えることができる点が動画広告の最大のメリットとも言え、非常に低単価で配信できる強みがあります。 是非本記事の内容を参考にして、動画広告導入実施を前向きに検討していただければ幸いです。 【eBook】身近になった「動画広告」の簡単な提案方法