しかし、「うちの会社も電子化すべきかわからない」「紙の申請だから、電子化に移行するのが難しそう」「申請のために何から準備すべきかわからない」と悩まれている方が多いのではないでしょうか。 2020年に施行された決まりなので情報が曖昧そうですが、実は対象企業や電子申請の方法とその準備の仕方についてはすでに決まっています。 本記事では、電子申請について疑問がある方のために、電子申請義務化の概要と対象企業、申請方法についてわかりやすく解説しております。 読んだあとはスムーズに電子申請の手続きについて行うことができるため、ぜひ参考にしてみてください。 【電子申請義務化対応済】社会保険手続きをかんたんにするサービス

電子申請義務化とは、社会保険の手続きの電子化を法律で義務付けること

電子申請義務化とは、紙で行われていた社会保険の手続きを電子化することを義務づけられた法律です。

電子申請義務化とは、社会保険の手続きの電子化を法律で義務付けること電子申請が義務化された背景電子申請が義務化された書類一覧電子申請義務化の対象企業の特徴電子申請をする際に必要な対応事項3つ「電子証明書」の取得パソコンの環境設定添付資料の準備電子申請手続きの方法2つe-Gov(イーガブ)外部連携API対応ソフト電子申請義務化における2つの注意点電子申請のために早めに準備を進める必要がある電子申請をしなかった場合、申請が無効化する可能性があるまとめ外部連携API対応ソフトを選ぶポイント

そもそも電子申請とは、インターネットを介して、申請・届出などの行政手続きをいつでも、どこからでもできる仕組みのことを指します。 電子化をすることで、これまで行政機関の窓口に出向いて紙媒体で行なっていた手続きが、会社や自宅のパソコンから行えるようになります。 参考:特定の法人について電子申請が義務化されました – 厚生労働省

電子申請が義務化された背景

電子申請が義務化された理由は、2018年3月に厚生労働省より発表された「行政手続きコスト削減のための基本計画」に関係があります。 企業の生産性向上を目指す一環として、「2020年までに事業者(=企業)目線で、行政手続きコストの20%以上削減する必要がある」と政府が発表しました。 行政手続きのコスト削減とは、行政手続きを行うための作業や窓口に往復する時間を削減することを指します。 このコスト削減を実現するためには「社会保険・労働保険」の電子申請を義務化する必要があると考えられ、2020年より一部企業に対して電子申請を義務化することになりました。

電子申請が義務化された書類一覧

電子申請義務化の対象となる書類は以下のとおりです。

大きく分けた場合、健康保険、厚生年金保険、労働保険、雇用保険の4つが電子申請義務化の対象となります。 ほとんどの会社員が入らなければならない保険が電子申請義務化の対象となります。 参考:労働保険関係手続の電子申請について- 厚生労働省

電子申請義務化の対象企業の特徴

以下4つのいずれかの条件に該当する企業は、電子申請義務化の対象となります。

従業員数や被保険者数ではなく、資本金の額で義務対象になるかどうかが決まります。 また、社会保険労務士が対象となる特定の法⼈に代わって⼿続きを⾏う場合も、電子申請が義務付けられるため注意が必要です。

電子申請をする際に必要な対応事項3つ

電子申請を開始する前に、あらかじめ対応することがあります。 その対応事項は以下の3つです。

「電子証明書」の取得パソコンの環境設定添付資料の準備

「電子証明書」の取得

電子申請を行う場合、事前に電子証明書を用意しておかなければいけません。 この電子証明書とは、信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するもので、いわば紙の契約書における印鑑証明書に代わるものです。 電子証明書を取得するまでには概ね1週間〜1か月程度かかるため、あらかじめ期間に余裕をもって手続きを行う必要があります。 以下の流れにそって、電子証明書を取得しましょう。 事前準備である「専用ソフトウェアのインストール」は、以下サイトから行うことができます。 参考:「商業登記電子認証ソフト」のダウンロード | 法務省

パソコンの環境設定

「e-Gov(イーガブ)」という行政情報ポータルサイトから電子申請を行う場合、事前にパソコンの環境設定を行う必要があります。 具体的には、以下の2つの確認・設定を行います。

ブラウザのポップアップブロックの解除アカウントの登録アプリケーションのインストール

ブラウザのポップアップブロックの解除

サイトが正常に動作するように、ブラウザのポップアップブロックが解除されているかどうか確認をします。 「ポップアップを常に許可する」が選択されていなければ、電子申請の手続きの際に正しく画面が表示されない場合があります。 上記画面のとおりにチェックがされているかどうか確認をしましょう。

アカウントの登録

電子申請をするために、e-Govのアカウント登録が必要です。 まだe-Govを利用したことがない場合、以下のe-Gov公式サイトにメールアドレスを入力して仮登録を行う必要があります。 参考:e-Govアカウント仮登録入力 | e-Govアカウント 仮登録したメールアドレスあてに専用のURLが届くため、クリックして正式登録をすれば利用を始めることができます。

アプリケーションのインストール

e-Govを使って電子申請をするときには、e-Gov電子申請アプリケーションを使用します。 インストールには、管理者アカウントが必要です。 参考:インストールの手順 | e-Gov電子申請

添付資料の準備

e-Govで電子申請をする際は、申請に必要な書類の添付が求められる場合があります。 たとえば、「雇用保険被保険者資格喪失届(離職票なし)」を申請する場合、「資格喪失の事実、資格喪失日及び資格喪失の状況が確認できる書類」の添付が必要となります。 参考:手続情報表示|e-Gov電子申請 上記のように、電子申請を行う前に、事前にどの添付書類が必要か確認しなければなりません。 その際、e-Gov内にある「手続検索」から調べることができます。 申請したい手続き名を検索し、ヒットした手続きのリンクをクリックすれば、その手続きに必要な書類を含む届出方法を確認することができます。

電子申請手続きの方法2つ

電子申請の手続き方法は2つあります。

e-Gov(イーガブ)外部連携API対応ソフト

それぞれのシステムの概要と、申請に適したケースについてまとめて解説いたします。

e-Gov(イーガブ)

e-Govとは、電子政府の総合窓口として政府が運営する行政情報ポータルサイトです。 こちらから申請をするためには、 e-Govが提供している無料のソフトをインストールし、画面の指示通りに必要情報を入力をします。 しかし、e-Govで電子申請するにはサイト上で1件ずつデータを手入力しなければなりません。 そのため、従業員の人数が多い企業がe-Govで申請を行おうとすると作業に負担がかかってしまいます。 基本的に電子申請をする場合は外部連携APIソフトを使うことがおすすめです。 しかし、従業員の人数が少なく、何かしらの理由でシステムを導入するのが厳しいという企業の場合のみe-Govからの利用が適しています。

e-Gov(イーガブ)での電子申請の流れ

e-Govのアカウントを作成できれば、電子申請の手続きを行います。 e-Govのマイページにある「基本情報管理」をクリックし、必須となる項目を入力します。 法人の場合、以下の情報が入力必須です。

法人番号法人・団体の名称代表者氏名法人の住所電話番号

マイページの「手続検索」をクリックして、電子申請する行政手続きを検索します。 もし「雇用保険」と入力すれば、それに該当する手続きが70件ほど表示されるようになります。 手続きの名前が曖昧でも、表示された手続き一覧のリンクをクリックすれば「手続概要」が見れますので、その内容から判断することができます。 もし該当する手続きが見つかれば、「申請入力へ」というボタンをクリックします。 目的とする手続きを選択すれば、申請書入力画面が開きます。 e-Govを初めて使う場合は法人名や申請者名、住所などの基本情報が空欄ですので、最初に埋める必要があります。 そのあとに、申請・届出様式に必要な情報を入力してください。 また、申請内容に合わせて必要な添付資料と提出先を選択いたします。 行政手数料等の納付が必要な手続きの場合、「行政手数料」の箇所に必要な納付額が表示されます。 [手数料入力]ボタンが表示されている場合は、このボタンをクリックし、[行政手数料等入力]画面を表示して納付を求められる行政手数料等の額を入力後[設定]ボタンをクリックします。 必須項目が全てうまっていれば、「内容を確認」ボタンをクリックします。 電子署名が必要な手続きの場合、「証明書の選択」ウィンドウが表示されます。 電子署名に使用する証明書が表示されている証明書と異なる場合は、「その他」ボタンをクリックし、電子署名をする時に使用する電子証明書を選択して、「OK」ボタンをクリックします。 「提出」ボタンをクリックして、到達番号や到達日時が表示されると提出完了となります。 提出が完了した申請等は、マイページの「申請案件一覧」から審査状況を確認することができます。

外部連携API対応ソフト

e-Gov(イーガブ)を使うほかにも、外部連携API対応ソフトから申請をする方法があります。 APIに対応している人事・労務・給与関連のソフトウェアをすでに活用している場合、そのソフトのデータをそのまま使って自動的にe-Govを経由して電子申請を行うことができます。 外部連携API対応ソフトから申請するメリットは、データごとに手入力する必要がなく、一括で申請ができるため手間がかからない点です。 そのため従業員の人数が多く、申請するものが多い場合でも効率的に手続きをすることが可能です。 ソフトを導入するのにコストはかかりますが、人事・労務担当者の業務削減のことも考慮しているのであれば導入することをおすすめします。 ソフトによって申請の流れは異なりますが、各ソフト内に申請の設定画面がありますので、必要項目の記入と電子証明書の登録を行えば申請することができます。 例えばマネーフォワードクラウド社会保険はこれらの機能を搭載した外部連携API対応ソフトの代表的な例です。給与計算ソフトとの連携も簡単にでき、入力の手間や工数を削減できます。まずは資料をダウンロードして確認してみてください。 社会保険手続きをもっとラクに『マネーフォワードクラウド社会保険』

電子申請義務化における2つの注意点

紙の手続きに比べて電子申請は効率的に進めることができますが、注意すべき点があります。

参考:社会保険・労働保険に関わる手続きが電子申請義務化! 準備はできていますか? | クラウド会計ソフト マネーフォワード

電子申請のために早めに準備を進める必要がある

初めて電子申請を行う企業の場合は、準備から申請完了まで一か月はかかると考えたほうがいいです。 まず、申請するために必要な電子証明書は取得までに1週間~1か月ほどかかります。 電子申請は、手続きの種類や管轄、そのときの混雑状況によって審査完了までの時間は異なりますが、審査完了の目安として4~7営業日ほどかかります。 そのため、電子申請の準備期間として一か月ほど余裕をもって手続きをしましょう。

電子申請をしなかった場合、申請が無効化する可能性がある

電子申請義務化の対象企業が紙の申請を行った場合、申請内容が無効化する可能性があります。 法律上、対象企業が電子化に応じない場合の罰則は特段定められていません。 罰則は受けないにせよ、申請が無効のものとされて手続きが受理されない可能性があるため、今いちど自社が義務化の対象ではないか確かめましょう。

まとめ

今回は電子申請義務化に関する概要と、電子申請するための方法や注意点について解説いたしました。 電子申請義務化が対象かどうかは、企業の従業員数や被保険者数ではなく、資本金の額で義務対象になるかどうかが決まります。 また、電子申請の方法にはe-Gov(イーガブ)と外部連携API対応ソフトの2種類があります。 e-Gov自体は無料で使用することができますが、サイト上で必要なデータを一件ずつ入力しなくてはいけないため、従業員が多い企業であれば作業に負担がかかりがちです。 もうひとつの方法である外部連携APIソフトでは、すでにソフト内にあるデータを利用して一括申請することができるため、効率的に申請を行うことが可能です。 まだ電子申請に移行していない企業の方は、本記事の情報をもとに準備を始めていきましょう。

外部連携API対応ソフトを選ぶポイント

本記事では電子申請義務化に関する概要を解説しました。 今回は外部連携API対応ソフト導入を検討されている方へおすすめの資料をご用意しました。 どういう基準で選べばいいのか、自社で利用しているシステムと連携可能かなど、外部連携API対応ソフト導入の際に確認しておきたいポイントをまとめています。 無料でダウンロードできるのでぜひご覧ください。 ※本記事は株式会社マネーフォワード提供によるスポンサード・コンテンツです。

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