LINE公式アカウントは、上手に活用すれば集客や売上アップに大きな効果を発揮します。そのために参考になるのが、他社の事例です。他社がLINE公式アカウントをどのように活用しているかを知り、お手本とすることで、自社のアカウント運用に役立てることができます。 企業によっては、人手不足や業務効率の悪さ、そしてコロナ禍における顧客離れなどの多様な課題を、LINE公式アカウントによって解決しています。 そこで本記事では、さまざまな業界10社のおすすめアカウントと、その事例を紹介し、そこから学ぶアカウント活用のコツや注意点までを解説します。本記事を読めば、自社のLINE公式アカウントを集客や売上アップに役立てられるようになります。 参考:LINEビジネス活用|10の事例で見えた成功パターンの秘訣 LINE@で店舗への集客を継続的に増加!3つの成功事例から学ぶ運用のコツ 【事業会社向け】LINE拡張ツール比較9選【ツール選びの5つのポイント】
参考にすべきおすすめ企業アカウント事例10選
さまざまな業界の多くの企業がLINE公式アカウントを活用し、それぞれの課題を解決しています。
参考にすべきおすすめ企業アカウント事例10選事例1. 【飲食】LINEを使ったデリバリーで1か月に5,000個の弁当を売り上げた焼肉店事例2. 【飲食】LINEで情報やクーポン配信で予約数が増加した日本酒専門店事例3. 【美容】応答メッセージの活用でワンオペの課題を克服した個人エステ店事例4. 【美容】アフターフォローLINEチャット活用で顧客定着率アップした美容室事例5. 【教育】問合せ窓口をLINEに集約して仕事の効率化を実現した英語教室事例6. 【娯楽】ショップカードの活用で再来店につなげる温泉施設事例7. 【スポーツ】“宅トレ”動画配信で、コロナ禍による「ユーザー離れ」を抑制したスタジオ事例8. 【士業】チャットボット対応でユーザー対応を効率化した社会保険労務士事務所事例9. 【小売】顧客参加型企画による友だち獲得で新聞折込費を大幅に削減したスーパーマーケット事例10. 【EC】動画配信で売上本数が3倍になったインテリアショップのEC推進 おすすめ事例から学ぶ、LINE公式アカウント活用の4つのコツコツ1. きめ細やかな個別対応で顧客との距離を縮めるコツ2. お得感を与え、集客につなげるコツ3. 自分の分身として、手が回らない部分をLINEに補ってもらうコツ4. 画像や動画など、今までにはなかったコミュニケーション手段を有効活用するLINE公式アカウント運用の3つの注意点注意点1. 目的やターゲットが曖昧なままアカウントの開設をしない注意点2. 友だち数を増やすことだけにこだわらない。成功の戦略は【友だち数×親密度】注意点3. 第三者の商品やサービスを宣伝することは禁止まとめ
各企業が抱える悩みは、人手不足、業務効率の悪さ、コロナ禍における顧客離れなど、多岐に渡りますが、LINE公式アカウントはこれらの悩みの解消に大いに役立っています。 ここでは、「飲食」「美容」「教育」「娯楽」「スポーツ」「士業」「小売」「EC」という幅広い業種から10の事例を取り上げます。各企業が抱えていた「課題」とそれに対する「施策」、そしてその「成果」を紹介します。
事例1. 【飲食】LINEを使ったデリバリーで1か月に5,000個の弁当を売り上げた焼肉店
埼玉県川越市で2店舗を展開する焼肉屋「シンラガーデン」では、新型コロナウィルスによる店舗休業を、デリバリーサービスでカバーしました。
課題
同アカウントの友だちは、シンラガーデンを利用するファミリー層の中でも、特にお得な情報に敏感な30代〜40代の主婦が多くを占めます。 新型コロナウイルスの感染が全国的に広がる中、2020年2月末から店舗予約のキャンセルが出始めました。これにより、テイクアウトを上手く軌道に乗せ、売上をカバーすることが課題となりました。
施策
店舗の営業自粛を決断した2020年4月〜5月末までの約2カ月間、テイクアウト・デリバリーサービスのみに切り替えて営業を行いました。 LINEで配信するメッセージには、LP(商品やサービスに特化したWebページ)のURLを掲載しました。LPでは、メニューの詳細・こだわりの調理法・注文方法などを紹介しています。 この際、LINEのメッセージ配信ではなるべく情報量を削り、詳細はLPで確認してもらうよう注意しました。これにより、両者の棲み分けが実現し、LINEのメッセージ配信が情報過多となる事態を回避できています。 さらにメッセージには、「先着200名に自家製カクテキをプレゼント」といったクーポンもつけ、お得な情報に敏感な主婦層のアクションを喚起しました。 また、友だち集めについては、おしぼり提供時に以下のA4サイズのポップを手渡すことを店舗オペレーションに組み込み、LINEの友だち追加を訴求しています。
成果
2020年5月のテイクアウト・デリバリーサービスの売上は、前年同月比の店舗売上と比較して121%を記録しました。メッセージ配信後は、注文の電話の受けている最中にキャッチが鳴り止まないほどです。 1カ月で約5,000個の焼肉弁当を販売し、店舗休業による売上ダウンをカバーできました。 参考:1カ月で5,000個の弁当を販売! LINEを使った焼肉屋のデリバリー成功の舞台裏|LINE for Business
事例2. 【飲食】LINEで情報やクーポン配信で予約数が増加した日本酒専門店
約100種類の貴重な日本酒を揃える日本酒専門店「KURAND SAKE MARKET 新宿店」では、小規模の蔵元が造る、表舞台には出ていない日本酒を積極的に提供しています。同店では、LINE公式アカウントを通したメッセージやクーポンの配信で、実際に足を運びたくなる店づくりに成功しました。
課題
同店のターゲット層は、普段あまりお酒を飲まず、「どんなお酒を飲んだら良いか」「さまざまな種類を試してみたい」という人たちです。そんな人々に日本酒のことをもっと知ってもらうためには、自社のホームページやSNSでの情報発信だけではなく、実際に来店して飲んでもらうのが一番です。 顧客がお店に足を運んでくれるような仕組み作りが課題となり、新しいサービスの導入を検討していました。
施策
LINE公式アカウントの「メッセージ配信」で、ユーザーに最新情報を届けています。注意しているのは、配信の曜日と時間帯です。こちらのお店では、週末の集客を狙って、月曜日か火曜日にメッセージを配信しています。また、配信する時間帯は、お昼・夕方・夜中のそれぞれアクセスが集まりやすいタイミングにしました。 さらに、LINE公式アカウントの友だちに、毎月100食限定で「お酒に合うおつまみ」というクーポンも配信しました。このおつまみクーポンは、友だち追加の訴求にも役立ちました。「友だち登録すると、定期的におつまみクーポンを受け取れます」とレジで伝えると、すぐに登録してもらえるケースが多くあります。 加えて、運用している他のSNSでもLINE公式アカウントが存在することを宣伝し、LINEの友だち獲得を狙いました。
成果
他のSNSを利用したLINE公式アカウントの宣伝は、SNS上で拡散され、友だち数が500人以上増えました。LINE公式アカウント経由でホームページから予約する顧客は毎月数十組となり、人数にすれば月間で100人を超えています。 また、おつまみクーポンでは、日本酒との相性が良いおつまみを提供するため、「こういう合わせ方もあるのか」「こんなおつまみがあるんですね」などと顧客から喜ばれています。日本酒の楽しみを知ってもらうことで、また足を運びたくなる店づくりにLINE公式アカウントが役立ちました。 参考:プッシュ通知の効果を実感!予約数が増加した日本酒専門店のLINE活用方法とは|LINE for Business
事例3. 【美容】応答メッセージの活用でワンオペの課題を克服した個人エステ店
茨城県つくば市で、フェイシャルエステや脱毛などのメニューを提供する個人エステ店「ビューティー サロン Be+」では、LINE公式アカウントを利用し業務の一部を自動化させることで、人手不足を克服しました。
課題
同サロンはマンションの一室で経営されているため、駐車場の場所が分かりにくく、道案内を求める顧客からの電話が頻繁にありました。普段サロンに出勤しているのは店長1人であることが多く、施術中にかかってくる電話対応に頭を悩ませていました。
施策
「応答メッセージ」機能を利用し、駐車場への道案内をLINE公式アカウントに任せました。あらかじめ撮影した画像を添付し、道案内できるように応答メッセージを設定しています。ユーザーが「駐車場は?」と打ち込むと、AIが自動で案内を行います。
成果
電話での問合せはほぼなくなり、施術に集中できるようになりました。テキストだけでなく画像も一緒に送れるため、顧客から「分かりやすい」と好評です。 この他にもユーザーからの問合せ対応やキャンペーン情報の拡散などにLINE公式アカウントを活用し、実質スタッフ1名で250名以上のリピーターを獲得しました。 参考:自動応答を活用して施術に集中! 個人エステ店のLINE公式アカウント活用|LINE for Business
事例4. 【美容】アフターフォローLINEチャット活用で顧客定着率アップした美容室
顧客とのコミュニケーションを密にし、定着率をアップさせることを目的に、完全個室へとリニューアルした美容室の事例です。チャットでの個別対応で顧客との距離を縮め、親密な関係を築きました。
課題
「気にかけている」という思いを届けることで、顧客ともっと良好な関係を作りたいという課題がありました。そのため、コミュニケーションを密にするために、できるだけ顧客との接触回数を増やすことが必須でした。
施策
「LINEチャット」を利用し、新規の顧客には必ず施術後3日後までに、以後の様子を伺う連絡を個別に入れました。 施術内容によってもトークの内容を変えています。例えば、バッサリ散髪した顧客には「前回短くされた後、周りの反応はいかがですか?」、ヘッドスパをした顧客には「頭皮の状態はどうですか?継続的にヘッドスパを行うことでもっと頭皮環境が改善していきますよ」といった調子です。 また、顧客によってさまざまですが、周期ごとにもメッセージを送ります。例えば、2ヶ月周期で来店する顧客の場合、初回3日後・1ヶ月後・来店時といったタイミングで連絡しています。
成果
コミュニケーションが深まるにつれて、一斉送信した内容へもチャットで問合せがある、という流れが定着してきました。これにより、次回の来店や商品の購入につながっています。 また、定着率を上げることで、新規集客の広告予算も抑えられました。 参考:リピーター獲得の秘訣!「美容室の成功事例」アフターフォローLINEチャット活用で顧客定着率アップ|Infidex
事例5. 【教育】問合せ窓口をLINEに集約して仕事の効率化を実現した英語教室
東京都練馬区にある英会話教室「いちょう通りランゲージ」では、園児から小中高生、大人まで、グループレッスンやマンツーマンレッスンを通して、語学力・コミュニケーション力・国際性を養っています。 同教室では、全ての問合せ窓口をLINEに一本化することで、仕事の効率化を実現しました。
課題
開業当初は1人で経営しており、電話に出ることができませんでした。着信のあった番号に電話をかけ直すと相手にとってタイミングが悪く、顧客から電話をかけ直してもらうと今度はこちらが授業中であるなど、不便を感じていました。 また、メールも利用していましたが、授業中や外出中にパソコンを開いて確認するのは困難でした。ローカルビジネスでは、ちょっとしたコミュニケーションの差で顧客に選んでもらえるかどうかが決まるため、利便性の高いコミュニケーション手段が必要でした。
施策
生徒や保護者からの問合せに「チャット」を利用しました。例えば、生徒の保護者からの休みの連絡や、子どもの学習相談にもチャットで個別に対応します。また幼児教室では、生徒の授業中の様子を撮影して、リクエストがあればチャットで写真を送付しています。 さらに、新規入学の相談・教材業者との連絡など、全ての問合せ窓口をLINE公式アカウントに集約しました。
成果
互いに都合を気にせず連絡できるLINEの利便性は高く、常に持ち歩いているスマートフォンで、空いた時間にいつでも確認できるようになりました。また、全ての窓口をLINE公式アカウントに集約したことで、仕事の効率アップが実現しています。 教室写真の送付は、普段は見ることのできない子どもの様子を確認できるため、保護者から好評です。さらに、チャットでは落ち着いて文章を書けるため対応の質が高まるなど、顧客満足度向上に役立っています。 参考:コミュニケーションで差をつける!選ばれる英語教室のLINEチャット活用方法|LINE for Business
事例6. 【娯楽】ショップカードの活用で再来店につなげる温泉施設
大阪府にある温泉施設「蔵前温泉 さらさのゆ」は温泉以外にも、カップルや家族で楽しめるカラーセラピーや岩盤温熱効果を組み合わせた新しい複合温熱施設などがあり、幅広い年代の顧客に親しまれています。 同施設では、紙のポイントカードに代わり「ショップカード」を活用することで、運用負担を軽減し、新規友だちの獲得にも成功しました。
課題
若年層に「お風呂の良さを知ってもらいたい」と考えていましたが、従来の販促手法では情報がうまく伝えられていませんでした。 また、カウンターでポイントカード対応をしていましたが、ポイントの付与に手間がかかっていました。
施策
「ショップカード」を導入には、施設の受付付近にQRコード読み取りコーナーを設置し、顧客にQRコードを読み取ってもらう方式をとっています。ショップカードのQRコード読み取り用のポスターは、目立つ場所に掲示しました。
成果
運用負担が軽減されたほか、位置情報と連携したポイント取得の不正防止設定も安心につながっています。 また、「ポイントを貯められます」という案内をきっかけに友だち追加を促すという流れが、しっかりとできあがりました。今までLINEを使ったことのなかった顧客が、ショップカードをきっかけにLINEアプリをダウンロードしてくれることも少なくありません。 ショップカード導入前は1日5~6人だった新規友だち数が、導入後は1日10人前後に増え、ポイントカード機能があるためブロック率も減少しています。導入当初はLINEを普段から使っている若年層をターゲットとしていましたが、それ以外の層にもリーチできました。 参考:導入後に折り込みチラシが不要に!LINEショップカードを活用する温泉施設のユーザー接点のつくり方|LINE for Business
事例7. 【スポーツ】“宅トレ”動画配信で、コロナ禍による「ユーザー離れ」を抑制したスタジオ
大阪府大阪市で、オフィス街の近くにスタジオを構える「STUDIO TRIVE」は、筋力アップトレーニング・ダンス・ヨガなどさまざまなプログラムが体験でき、日中は主婦や学生、夜は仕事帰りの女性などで賑わいます。 新型コロナウィルスによる休館中にレクチャー動画を配信することで、ユーザー離れを抑制しました。
課題
2020年4月上旬、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受けて、大阪府に緊急事態宣言が発令されました。これにともない、スポーツ施設の休業要請を受け、要請が解除される5月末までの約2ヶ月間、STUDIO TRIVEは休館を余儀なくされました。 休館は致し方ありませんでしたが、ユーザーに何らか有益な情報を届けたいという思いがありました。
施策
自粛で運動不足になりがちな会員が自宅でトレーニングできるよう、インストラクターによるレクチャー動画をライブストリーミングで有料配信しました。配信頻度は4〜5日に1回のペースで、オンラインサービスの案内やライブストリーミングの予定表などを、「カードタイプメッセージ」で配信しています。 また、自宅レッスンに必要なバーベルやプレート(重り)などのツールを数量限定で貸し出すことを、LINE公式アカウントで告知しました。
成果
カードタイプメッセージは、メッセージを開封したユーザーの50%以上がクリックするという結果になりました。また、ツール貸し出しについては、告知後すぐに在庫がなくなるほどの人気ぶりでした。 同スタジオでは、2020年6月に営業を再開して以降、顧客の戻りは以前の8割を維持しています。 参考:カードタイプメッセージを使った“宅トレ”動画配信で、コロナ休業中もユーザーにアプローチ|LINE for Business
事例8. 【士業】チャットボット対応でユーザー対応を効率化した社会保険労務士事務所
神奈川県横浜市に拠点を構える「のぞみ社会保険労務士事務所」では、長時間労働是正や業務改善、キャリア支援など、職場にまつわる諸問題の解決に取り組んでいます。 同事務所では、直接収益につながらない業務をチャットボットに自動対応させることで、業務効率化を図りました。
課題
国内には42,537人(2019年9月30日時点、厚生労働省調べ)に上る社会保険労務士登録者がおり、その中で事業を継続するには新規顧客の獲得が欠かせません。しかし、士業の世界はマーケティングに対する意識が他の業界より希薄なのが、業界共通の課題となっています。
施策
外部ツールで実装したチャットボットを相談の回答に利用し、事業者の相談項目を4カテゴリー、個人の相談項目を18カテゴリーにそれぞれ整理しました。 さらに、LINE広告を使ってLINE公式アカウントの友だちを獲得する広告も配信しました。LINEには年代・性別を問わず多くのユーザーが存在し、その半数近くが会社員です。これは社会保険労務士事務所がターゲットとしたい層に一致していました。
成果
ユーザーはLINE上でタップをするだけで、悩みを的確に調べることができるようになりました。 また、2020年5月から7月まで広告を配信した結果、500人以上の友だちを獲得できました。 参考:チャットボットでユーザーの悩みにお応え!士業がはじめるデジタルマーケティング|LINE for Business
事例9. 【小売】顧客参加型企画による友だち獲得で新聞折込費を大幅に削減したスーパーマーケット
青森県を中心に、スーパーマーケットやドラッグストア、そしてその複合店舗を展開している「紅屋商事株式会社」では、新聞折込チラシに代わる集客のためのアプローチとしてLINE公式アカウントを活用し、広告費を削減できました。
課題
新聞折込などに多大な経費がかかっていました。チラシ1回につき200~300万円の費用がかかるのに対し、新聞折込の来店効果は部数に対して0.2~0.3%程度といわれています。 今後、新聞の定期購読者数が減ることが想像でき、その費用対効果に疑問を感じて、集客のための新たなアプローチが必須であると考えていました。
施策
「リッチメッセージ」を利用し、チラシのページへリンク誘導しました。 さらに、「タイムライン投稿の『いいね』を押してくれた顧客が777名を突破したら、5%OFFクーポンを配信する」というユーザー参加型企画を月に1〜2回実施しました。これは、顧客に継続的な関心を持ってもらうことを目的としています。 友だち獲得については、店舗入口から売場・レジの列・袋詰め台・サービスカウンター特設ブースなど「足が止まる場所・目線の高さ」にこだわり、POPを設置しました。 また、タイムライン投稿を「いいね」や「シェア」、Twitterで拡散してもらうことでも、友だち獲得も狙いました。
成果
新聞折込費を4~5%削減することができ、売上高も前年同月比で102%を達成しました。 「いいね777回突破でクーポン配信」企画では838名の「いいね」を獲得し、その後配信したクーポンは782回使用されました。企画実施前に同じ5%OFFクーポンを配信した時は117回の使用だったので、約6.7倍の伸びを記録したことになります。 また、企画実施時は平日でしたが、友だち登録数が通常の平日の約2.5倍となりました。これはタイムライン投稿の「いいね」や「シェア」によって、まだ友だち登録をしていなかった顧客を巻き込むことができた成果といえます。顧客同士の口コミもあって、全体的な友だち数増加とともに、年配の顧客の友だち登録にもつながりました。 参考:意識したのは「お客さま参加型」!新聞折り込み費を大幅削減したスーパーのLINE活用方法とは|LINE for Business
事例10. 【EC】動画配信で売上本数が3倍になったインテリアショップのEC推進
沖縄本島に店舗を構える、家具や生活雑貨を中心とした商品を販売するインテリアショップ「maxplus」では、約1,200坪のスペースにさまざまなアイテムを取り揃え、実演販売や商品を使った空間ディスプレーなどで商品訴求を行っています。 同店では、ECサイトへの誘導にLINE公式アカウントを活用し、売上を伸ばしました。
課題
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「対面販売のみのビジネスモデルでは、この難局を乗り切れない」と感じていました。 そこで、非対面でもユーザーが利用できるECサイトを2020年4月にオープンします。ユーザーをECサイトに誘導し、売上を伸ばす方法を模索していました。
施策
月に4〜5回を目安に、メッセージや動画を配信しています。動画配信には「リッチビデオメッセージ」を頻繁に活用し、5秒〜15秒ほどの長すぎない尺で商品をPRします。地元のテレビ局でオンエアされたCM素材を流用することもありました。 また、ECサイトへの導線として、「リッチメニュー」にECサイトへのリンクを設置しています。 さらに、年齢・性別などの属性を絞り込み、メッセージをセグメント配信することで、コロナ禍で需要が増えている商品の販促も行いました。
成果
1日のアクセス数は、ピーク時で約8割がLINE経由です。LINE公式アカウントで配信した動画の再生数は、他のSNSと比べて6倍になることもあります。 LINE公式アカウントでオリジナルマットレスのPR動画を配信したところ、配信前と比較して1カ月あたりの商品売上本数が3倍に伸長しました。 参考:動画配信で売上本数が3倍に! LINEを活用したインテリアショップのEC推進|LINE for Business
おすすめ事例から学ぶ、LINE公式アカウント活用の4つのコツ
LINE公式アカウントの使い方に唯一の正解というものはありませんが、成功している企業に共通して見られる、使い方のコツといえるものがあります。 それは、「きめ細やかな個別対応」「お得感の創出」「業務の自動化」「画像や動画の活用」4つです。ここからは、それぞれのコツを詳しく解説します。
コツ1. きめ細やかな個別対応で顧客との距離を縮める
LINE公式アカウントは、「メッセージ配信」や「タイムライン投稿」の他に「チャット」機能が搭載されており、1対1コミュニケーションのしやすさに優れたツールです。また、日常生活に馴染んだコミュニケーションツールであるため、気軽に会話がしやすい利点もあります。 例えば、上記「事例4」の美容室の例では、施術後に個別で連絡を入れることで「気にかけている」という気持ちを伝え、顧客との距離を縮めることに成功しました。 また、「事例5」の英語教室の例では、個別の相談に回答したり、生徒の授業中の様子を写真で保護者に送付するなど、丁寧な個別対応で顧客満足度を高めています。 LINE公式アカウントのチャット機能は、従量課金の対象外となっており、コストを気にせず使えるメリットもあります。各顧客に合わせた双方向のコミュニケーションで、顧客との親密な関係を築きましょう。
コツ2. お得感を与え、集客につなげる
LINE公式アカウントには、電子クーポンを発行できる「クーポン」機能や、ポイントカードに相当する「ショップカード」機能など、顧客にお得感を与えられる機能も揃っています。 例えば、上記「事例2」で紹介した日本酒専門店の「おつまみクーポン」や、「事例6」の温泉施設が発行しているショップカードは、来店促進に抜群の効果を発揮しています。これらは、顧客に友だち追加登録を勧める際の、大きな動機付けにもなっています。 クーポンやショップカードは、「お得に買い物がしたい」というユーザーの気持ちを刺激し、ユーザーの店舗へのアクセスを促進します。また、定期的なクーポンの配信や、リピート来店を促すショップカードの発行は、ユーザーとの継続的な関係構築にも役立つので、効果的に利用しましょう。
コツ3. 自分の分身として、手が回らない部分をLINEに補ってもらう
「多忙である」「人手不足である」などの理由で仕事に手が回らない場合、LINE公式アカウントに業務を任せると解決できることがあります。 例えば、上記「事例3」のエステ店では、問合せの多かった駐車場までの道案内を「応答メッセージ」に任せ、施術に集中できる環境を創り出しました。また、「事例8」の社会保険労務士事務所では、顧客の質問への回答に「チャットボット」を利用することで、直接収益につながらない業務を削減しています。 LINE公式アカウントの機能を利用した業務の自動化は、コア業務に集中できる環境や時間を捻出するのに役立ちます。「同じような問合せに繰り返し答えている」「収益につながらない業務に時間を割かれている」といった場合には、LINE公式アカウントで自動対応ができないかを検討してみましょう。
コツ4. 画像や動画など、今までにはなかったコミュニケーション手段を有効活用する
従来の紙やメールといったコミュニケーション手段と比較した場合、LINE公式アカウントは画像や動画のやり取りができるという特長があります。「チャット」や「メッセージ配信」でも画像・動画を配信できますし、「リッチビデオメッセージ」なら、視聴後に指定したURLへ誘導することも可能です。 例えば、上記「事例5」の英語教室では、授業風景の写真を保護者に送付し、言葉では表現しきれない教室の雰囲気を伝えています。また、「事例7」のスタジオが配信しているレクチャー動画のように、「動きを伝える」場面では動画がぴったりです。 人間の五感で受け取れる情報量の割合として、視覚は8割を超えるというデータも存在します。加えて、動画配信はテキスト配信と比べると5倍のエンゲージメント率があるとも言われます。 短いテキストメッセージが好まれるLINEという媒体において、画像や動画は欠かすことができません。画像や動画を効果的に配信し、伝えたいことの魅力を最大限に引き出しましょう。
LINE公式アカウント運用の3つの注意点
上記事例からは、LINE公式アカウントが業種や規模を問わず、集客や売上アップに効果的であることが分かります。しかし、LINE公式アカウントが効果を発揮する前提条件として覚えておきたいことや、利用にあたり禁止されていることなど、いくつか注意点もあります。 まずは、「目的やターゲットを明確にしなければ、LINE公式アカウントは効果を発揮しない」ということです。適切な相手に適切な情報を届けられなければ、LINE公式アカウントは無用の長物となります。 次に、「友だちの数を増やすことだけにこだわらない」ということです。成功の秘訣は、友だちの数だけではなく質にもあります。最後は「第三者の商品やサービスの紹介の禁止」です。これはペナルティ対象の禁止事項にあたります。 ここからは、上記3つの注意点につき、詳しく解説していきます。
注意点1. 目的やターゲットが曖昧なままアカウントの開設をしない
LINE公式アカウントでの集客や売上アップを成功させるためには、まず、目的やターゲットを明確にする必要があります。自分の友だちの属性を把握せず一方的な情報発信をすれば、ブロックされる可能性が高まります。 LINE公式アカウントを利用し情報を発信する上で、友だちの属性把握は非常に重要です。LINE公式アカウントは、友だちに対し情報を一斉配信できる便利なツールですが、「自分に関係ない情報だ」と思われればノイズとなります。 例えば、上記「事例1」の焼肉店では、お得な情報に敏感な30代〜40代の主婦が友だちの主な層であると把握していたため、クーポン配信でユーザーの心を掴むことができました。 「事例8」の社会保険労務士事務所では、有料機能である「LINE広告」を利用していますが、有料であっても広告を打つ価値があったのは、LINEユーザーの半数近くが会社員であるためです。 LINE公式アカウントでは、ユーザーを属性ごとに仕分けしてメッセージを送るセグメント配信機能も、無料で利用可能です。目的やターゲットを明確にした上でアカウントを開設し、さらにセグメント配信を利用してユーザーに合った情報を届けましょう。
注意点2. 友だち数を増やすことだけにこだわらない。成功の戦略は【友だち数×親密度】
紹介した他社事例の中には、集客や売上アップのため、LINE公式アカウントの友だち集めに力を入れている事例が多くありました。しかし、LINE公式アカウントは関係性の構築に優れたツールです。友だち数が多くない場合でも、「親密度を上げる」ことで一定の効果を出すことができるため、友だち数だけにこだわる必要はありません。 たしかに、友だち数の多いアカウントは有利です。大手企業のアカウントは圧倒的な友だち数を武器としており、小規模な店舗であってもLINE公式アカウントで成功しているのは多くの友だち数を誇る企業であることがほとんどです。 一方で、友だちがそれほど多くないにもかかわらず、成功をおさめている企業も存在します。これは、登録してくれているユーザーとの「親密度」が高い場合に多くみられる現象です。 LINEで成功する戦略は【友だち数×親密度】と言えます。「親密度」とは、友だちとの信頼関係、または、どれほど深い交流があるかの度合いをいいます。親密度が高い場合、友だち数が少なくても開封率が高く、反応してくれるユーザーも多いため、大きな効果を出すことができます。 もちろん、友だち数が多く、かつ親密度が高い場合には、これらを乗じた結果が出るため効果はさらに大きなものとなります。LINE公式アカウントを上手く活用して、ユーザーとの距離を縮めましょう。
注意点3. 第三者の商品やサービスを宣伝することは禁止
他社事例では、LINE公式アカウントを利用し、いかに商品やサービスをアピールできるかを紹介しましたが、LINE公式アカウントでは「第三者の商品やサービスの宣伝」が禁止されているため、注意が必要です。 例えば、「自社アカウントは多くの友だちを抱えているから、この度オープンした友人のお店の商品を紹介してあげよう」などと考えたことはないでしょうか。LINE公式アカウントの利用規約では「第三者が提供する商品やサービスを宣伝すること」を禁止行為としています。したがって、近しい関係にある人の企業や店舗であっても紹介は認められません。 ただし、利用規約の冒頭に「当社の事前の承諾なく」と記されているため、どうしてもという場合には事前にLINE社に相談してみると良いでしょう。 承諾を得ないまま他社や他店の宣伝を行うと、禁止行為に該当したとしてペナルティの対象となる可能性があります。アカウントを強制的に停止され、せっかく築いてきたユーザーとの関係を無に帰す恐れがあるため注意しましょう。 参考:LINE@(ライン公式アカウント)で成功する人と失敗する人|infidex LINEを使った店舗集客!これを読んでLINEでの集客効果を高めよう|UPLINK LINE公式アカウント 利用規約|LINE
まとめ
LINE公式アカウント運用にあたり、参考にしたいおすすめ事例10選を紹介しました。LINE公式アカウントの活用方法の幅は広く、1つの機能をとってみても、その活用方法は企業によって千差万別です。 LINE公式アカウントには、一斉に広く情報を行き渡らせる機能と、個別対応ができる機能の両方が搭載されており、両者を上手く活用することで友だちとの関係構築が実現します。 また、お得感を与えリピーターを獲得したり、手が回らない部分をカバーしてもらう使い方もあります。これらをはじめとした多くの機能は、コロナ禍の今、工夫次第でさまざまな使い道が考えられます。 活用方法が分からない場合には、他社の事例をお手本にし、自社にも合いそうな使い方を真似してみることから始めましょう。同一業種はもちろんのこと、他業種の企業の使い方の中にもヒントがあるはずです。使い続けるうちに、自社オリジナルのLINE公式アカウントの使い道が見えてくるでしょう。